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この記事を読んで、確率的には低くても発生することがあるんだなぁ、と思った。太陽フレアのせいなのかな。
IT業界に関するニュースのまとめはこちら。
そういえばそんなことあったよな。
この記事を最初に見た時に思い出した。夏にテレビ朝日の機材不具合で、地上波のCMやBSの番組とCMを放送できなくなったというのだ。
民放にとってCMを流せないのは致命的な問題だ。何らかの人的なミスだったのかな、と聞いたときは思っていた。
先ごろITmediaにその後の調査報告が掲載されていて、驚いた。
テレビ朝日は11月8日、7月に放送機器の障害で地上波のCMやBSの番組、CMが放送できなくなった件について原因を特定したと発表した。中性子の衝突によりメモリーエラーが発生し、番組送出用のサーバが制御できなくなったという。
これは驚いた。中性子の衝突でメモリエラーが発生し、制御不能に至ったという。
7月23日の午後10時過ぎ、局内のマスター設備内にあるネットワークスイッチの記憶装置で誤作動(メモリーエラー)が発生し、ネットワークに大量のデータが流れた。これにより番組やCMを送出する3系統のサーバが全て制御不能となったという。
サーバと思ったらスイッチで問題が発生し、トラフィックが輻輳したのだろうか。
エラーの原因については、設備メーカーから「中性子線の影響」と報告があったという。中性子は日常的に地上に降り注ぐ宇宙線が、大気中の原子に衝突することで発生し、これが半導体に衝突すると誤作動(ソフトエラー)を引き起こす場合がある。テレビ朝日の検証会議が大学や民間研究所などにヒアリングしたところ、見解はほぼ一致したという。
エラーの原因はいろいろある、コーディングミス、パッケージのバージョンが古くAPIが合わない、サーバの老朽化などなどだ。
普通はそれらを疑う。しかしどうやらどこにも問題がなく、最終的に非常に低い確率である、中性子線が当たった、ということになったようだ。
長年IT業界に身を置いていたが、この件が現実に発生した話は初めて聞いたと思う。(20世紀の頃はあまりニュースを追っていなかったこともあるが)
中性子に起因する「ソフトエラー」は以前から指摘されていたが、実際に起こることは稀だった。しかし近年は半導体製造技術の進歩で半導体製造ルールの微細化が進み、保持する電荷も小さくなったことで、以前より影響を受けやすくなっている。
微細化により低電力、低発熱といいことばかりと思っていたが、こんな罠が待っていたとは。
テレビ朝日は再発時は予備系統に切り替えると対策を示しているが、自動で切り替えることができるかはわからない。
いっそ鉛で囲った部屋に設置したほうがいいのではないだろうか。
一方でテレビ放送機器以外の経済安全保障に関する機器や人命にかかわる機器も同様の問題にさらされそうだ。今後はこの手の「暴走」のような問題が多発するのだろうか。
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