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以前から噂があったVMwareが独立する話が決まったようだ。
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VMware社はオンプレミスの仮想化ソフトでは知らない人がいないくらい有名なベンダだ。
早期から仮想化ソフトの成長に貢献してきたベンダで、AWSなどクラウドベンダが興隆する前は仮想化と言ったらOSSで作るか有償のVMwareで作るかの2択ぐらいだった。(最近ではHype-Vという選択肢もあるが)
年に一度vForumというイベントがあり、よく参加してVMware社の動向を調査したりしていた。昨年はコロナウィルスのため展示会、セミナ形式ではできなかったので、初めてすべてオンラインで開催された。
そういえば昨年のvForumでは毎年出てくるはずのゲルシンガーCEOがいなかったかなと思っていたら、インテルのCEOに転職していた。
海外のCEOによくいる、威風堂々として大風呂敷を広げるタイプではないゲルシンガー氏はなんだか気になる存在だった。元は技術者だったと聞いて納得した。自分の知るVMware社はゲルシンガー氏がCEOだった期間と重なっており、イメージとして強く残っている。
さかのぼること2016年。PCの雄であるDellとストレージベンダのEMCが統合して、Dell EMCが誕生した。VMwareはEMCの子会社であったので、その際に他のEMCの子会社とともにDellの下に入った。
統合後の社名はDell Technologiesとなり、CEOはデルの創業者であるマイケル・デル氏が務めている。
元々VMwareはEMCの子会社という立場ではあるが、デルだけでなくサーバベンダとのつながりが強いのでDell Technologiesの傘下にあるという点で敬遠される理由になっていたかもしれない。統合の際にもVMwareを独立させる話があったと思うが、今年まで5年間継続されていた。
現在Dell TechnologiesはVMware社の株を81%保有しているが、これを21年(CY21)第4四半期までにすべて売却する。これによりDell Technologiesは約100億ドルの売却代金を得ることになり負債の返済に使うそうだ。
なお、VMwareが独立したのちもDell Technologiesとの間では戦略的提携を維持していく。例えばVMwareはユーザのDX推進のためにDell Financial Serviceを継続利用する。
CEOのデル氏は下記のように声明を出している。
両社は重要なパートナであり続ける。
独立後もデル氏はVMwareの会長であり続けるそうだ。
サーバメーカという後ろ盾を無くすVMwareは今後は背水の陣で自社の製品だけで勝負していくだろう。デルだけでなくHPやLenovoのようなサーバメーカとの協業が増えていくか、あるいはAWSで提供するVMware Cloud on AWSのようなサービスだけが頼りになるか。IT業界はクラウド化の大きな流れになって久しいがオンプレの衰退はVMwareの業績にも影響があるだろう。オンプレ用では代わりになる製品が見つからないので、VMwareの業績を今後も注目していかないといけない。
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