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AMDのPC向けCPUであるRyzenシリーズの新作、Ryzen 9000シリーズとAI 300シリーズがComputex Taipeiで発表された。
すでに1週間前のニュースなのでさらっとまとめておく。
PC、周辺機器に関するニュースのまとめはこちら。
Computex Taipeiの発表会の様子がYouTubeにあるので、ご紹介。英語だが字幕がある。
まずはRyzen9000。Ryzen 7000から始まったソケットAM5に適合する最新のCPUだ。デスクトップ、ノートPC向けに数種類がリリースされると思われるが、今回はデスクトップ用のオーバクロック可能なCPUが4つ。
もしかしたら、ノートPCは後述のRezen AI 300に置き換わっていくのかもしれない。
発表会ではCEOのLisaが登壇し、まずCPUを披露した。
Ryzen 9950XとIntel Core i9-14900Kとの比較が表示されている。左はベンチマーク、右はゲームだ。
ベンチマークは+7~56%、ゲームは+4~23%もの性能向上があり、現時点では世界最速のゲーム用CPUだそうだ。
ソケットはAM5を使う。2027年までソケットAM5を続ける宣言をしている。一方で2016年からのソケットAM4は今も現役だ。今回も新製品が発表され、145ものモデルが供給されている。
ラインナップは4つ。Ryzen 9 9950X, 9 9900X, 7 9700X, 5 9600Xだ。7000の発表時と同様だ。
細かい仕様は後述するが、TDPは9700Xと9600Xは65Wと標準的だが、9950Xと9900Xは120~170Wと高発熱だ。
続いて、ノートPC向けのAI対応CPUのAI 300だ。
Ryzen 8000同様にNPUを搭載するが、Ryzen 8000はマイクロソフトが提唱する次世代PCであるCoPilot+PCが求めるAI性能を満たしていなかったが、AI 300では50TOPSを達成している。
CPUコアはZen5であり最大12コア、GPUも内蔵している。GPUはRDNA3.5対応の Radeon 800Mシリーズだ。
ハイエンドのAI9 HX 370は、12コア24スレッド、5.1GHzまでのクロック、36MBのキャッシュ、50TOPSのNPU内蔵、16CUを搭載した内蔵GPUで、CoPilot+PCに対応する。
各社のAI対応CPUとの比較が紹介された。単位はよくわからないが、Ryzen AI 300が50、クアルコム Snapdragon X Eliteが45、インテルのLunar Lakeが40~45、アップルのM4は38だ。
アップルはAI対応は遅れている。CPUではクアルコムとAMDが2強という様相だが、単にインテルの最新情報が入っていないだけかもしれない。インテルからも情報が出たら再比較が必要だろう。
ソケットAM4はまだ終わらない。時々新製品が出ているが、この発表会の時期でも新たな製品が発表されている。
もちろんすでに過去の世代のプラットフォームなので徐々にソケットAM5に主戦場は移っているのだが、見捨てず新たな製品が出続けているのは好印象だ。
AMDのWEBに掲載されている。詳細は今後なのだろう。
CPUのコア数は7000/8000シリーズと同様だ。クロックは若干異なるもののほぼ同じ。PCIe Gen5に対応。GPUとSSD接続がさらに高速になる。
9700Xと9600XのTDPは65Wで、XシリーズではないCPUに標準添付されているCPUクーラでも利用できそうだ
特徴は内蔵GPUが890M/880Mであること、NPUは50TOPSの性能のものを搭載しており、CoPilot+PCに対応する。
Ryzen 5900XTはRyzen 5900Xと比べてCPUコア数が強化されている以外は同じ。Ryzen 5800XTはRyzen 5800Xtと比べてCPUクロックが若干上がっているくらいだ。
Ryzen 5800XTのこの差であれば、Ryzen 5800Xが安ければそっちを買ってもいいだろう。しかしRyzen 5900XTはコア数増加により性能向上がありそうだ。
インテルより安い、で売っていたAMDは過去のものだ。最近のインテルは失速しており、AMDとクアルコムの2強なのかもしれない。
AMDが頑張り続けなければ、PCのCPUもARMベースで席巻されてしまうだろう。8086から始まったPCの歴史が終わる日が近いのかもしれない。
Ryzen 9000シリーズは7月発売。秋から年末は自作する人が増えそうだ。
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