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KDDIはスマホで直接スターリンクと通信する実証実験に成功した。2024年内に実用化の予定。
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KDDIはかねてより計画していた、スマホを衛星通信と直接接続する実証実験に成功した。
スマホから送るテキストメッセージが衛星通信経由で対向のスマホに届いたという。
衛星通信はスターリンクだ。スターリンクはX(旧Twitter)を買収したことで知られるイーロン・マスク氏が経営する衛星通信会社で、ロシアとウクライナ紛争が始まった時からウクライナに無償で通信回線を提供したことや、日本の中でも災害発生時に通信網が寸断された際に使われていた。
日本の携帯電話は人口カバー率で語られることが多い。面積ではなく、基地局によってどれだけ多くの人が接続できるかを表す指標だ。
いまでは5Gでさえ、97%以上いっているのかな。でも面積でいえば山の中は相変わらず圏外だ。
この圏外をなくすには、山の中に基地局を建てるしかないのだが、基地局には電気や光ファイバーを引っ張ってくる必要がある。
建設には道も必要だ。
トータルコストとそれによって得られるベネフィットを考えると、経済理論的にはそこに基地局を建てる必要はない。
このため、圏外のエリアはずっと放置されてきた。
圏外をなくすために基地局を増設しないとしたら、方法はそれほどない。スマホに超強力な電波を発することができる機能を付けるか、真上、つまり宇宙から電波を飛ばすしかない。
強力な電波を発するには電波法の制限がある。帯域もそんなに空いてないだろう。スマホに搭載することは無理と思うので、事実上不可能だ。
一方で宇宙からの電波は方法により可能だ。20世紀なら静止衛星を使って通信する方法しかなかっただろう。静止衛星は地球からかなり遠いので、微弱な電波しか出せない携帯電話では難しい。この方法では無理があった。
21世紀になり、衛星を静止衛星より低軌道にして微弱な電波でも通信できるようにする方法が実用的になった。低軌道にすると静止衛星と違って、高速な移動になる。高速移動であれば、通信したいときに衛星がいない、では困るので、常に多数の衛星が地球を周回する必要がある。多数の衛星を打ち上げて制御する方法が実用的になり、スターリンクが商用で使えるようになった。
今回はテキストメッセージの通信だけだった。2024年中に音声通話、動画データのやり取りに対応させるという。
KDDIは追加料金なしでサービス提供を検討しているそうだ。
同様の動きは楽天モバイルもしている。楽天モバイルはスターリンク以外の会社と組んで進めている。
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