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EaseUS様から久々のレビュー依頼をいただいた。今回はUSBメモリでWindowsを起動できるソフトウェアだ。
依頼をいただいたレビュー記事はこちら。
EaseUS様からは過去に下記レビューをさせていただいている。興味がある方は下記リンクから参照してほしい。
今回はUSBメモリでWindowsを起動できる、EaseUS OS2Goを使ってみる。有償版で試す。
耳慣れない製品名だが、実はちょっと前までは同等の機能をマイクロソフトがOSの標準機能として提供していたようだ。
ようだ、というのも自分は認識していなかった。今更ながら、ああ、そういう機能があったのね、という感触だ。
マイクロソフトの機能はWindows To Goという名称で、OS2Goと同じく、WindowsOSをUSBメモリに格納して持ち運べるという物だ。
マイクロソフトが開発を辞めた経緯はこちらに書かれているので興味のある方は参照を。
USBメモリでWindowsOSを持ち運ぶ、と書いてしまうと、何がメリットか分からない。
レビューのオファーを頂いたときも、はて、何がメリットか、とちょっと考えた。
PCは充分軽くなった。USBメモリほど軽くなくても持ち運ぶのに困ることない。
1kg程度のPCが重ければ、さらに軽いタブレットでも代用できなくはない。
一時期はWindows10 Mobileの機能で、スマホながらデスクトップ機能を利用できるなんてことがあったが、結局流行らずに終わった。
それでも重ければ、テレビとキーボードとマウスを用意できれば、200~300gで持ち運ぶことができるステック型のPCがあった。もうあまり流行っていないようだが、常時通電のサーバ用途にはいいなと思っている。
このように様々な選択肢がある中で、マイクロソフトの失敗はUSBメモリが特定のものでなければWindows To Goを使えなかった、という物だったようだ。
後で述べるが、この機能で使うUSBメモリは8GB,32GBのような通常用途のものではだめなのだ。
さて、用途がいまいち理解できないながらも興味はある。USBで本当にWindowsを動かすことができるのか?
USBブートでOSを動かすことができるのは、NAS4Free/Xigma NASでやっているので理解している。
USBにMBRレコードを書きこんで、HDDやSSDのように情報を書きこんでおき、マザーボードが対応してれば問題なくできる。
マザーボードの方では、USBブート機能はIvyBridge世代あたりからはサポートされているようなのでよほど古いPCでなければ問題ないだろう。
問題になりそうなのは、Linuxなどと異なり、WindowsはオンメモリでOSを動かすことは難しく、常にストレージにアクセスしていること。
Linuxとてログファイルの書き込みがあるが、Windowsではその比ではないと想像している。はたしてUSBメモリで使い物になる、持ち運び可能なWindows ポータブルUSBドライブを作成できるのだろうか。
それを試してみたくて、まずはUSBメモリを購入した。USB3/1 Gen1対応で256GBのものにした。
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そしてソフトウェアをここからダウンロードした。
主な機能は下記のように書かれている。詳細は上記サイトで確認を。
ダウンロードしたソフトウェアのインストールは簡単だ。特権ユーザの権限がいることを除けば悩む要素はない。
購入したUSBメモリをノートPCのDell Inspironに差し込んで、USBメモリにSSDのOSイメージを書きこむ。
今回はOSイメージ作成をOSドライブの容量が少ないノートPCにした。インテルCore第8世代だ。
Windowsは購入時のまま、Homeエディションだ。
ノートPCの詳細なスペックなどはこちら。
USBメモリもいろいろな種類があるが、差し込みっぱなしの使い方を考えるとこのように短いものがいいと思う。
これであってもでっぱりはあるので、取り扱いに注意は必要だ。
さて、ソフトウェアを起動して、USBメモリに書きこんでみよう。この操作で、Windows ブータブルUSBドライブを作成
できる。ソフトウェアを起動すると、このような表示になる。右下は差し込んだUSBメモリが表示されている。
次へ ボタンをクリックするとこのように確認が表示される。USBメモリ内のデータはクリアされるので、必要ならキャンセルボタン をクリックして書き込みを中止し、バックアップを取ってから再度実施する。
Partition Masterのクローン作成画面と似たような画面が表示される。上がコピー元で、下がコピー先というのも同じだ。
違うのは下がこの場合はUSBメモリという点だ。ドライブ名が OS(A:)となっている。
Aドライブ!懐かしい。以前はFDDがAドライブだった。FDDがなくなってからAドライブは見たことがない。
今回はSSDではないので、左端の☑ボックスはそのまま実行 ボタンをクリックする。
ライセンスコードを要求される。無料版では試すことはできないようだ。EaseUS様に提供いただいたライセンスコードを入力して、ライセンス認証 ボタンをクリックする。
コピーが始まった。ライセンスコードの入力を除けば、クリックは3回だ。簡単だな。
問題なのはコピー時間だ。せいぜい30分で終わるだろうと思っていたが、なんと4時間弱かかっている。
今回はノートPCでOSドライブの容量はそんなに大きくないはずだが、それでも150GB程度ある。
USBメモリはかなり遅いので、速いSSDをUSB接続にすることが現実的なのだろう。
まあともかく、USBメモリに書きこむことができた。次は起動の確認だ。
WindowsのブータブルUSBドライブを作成できた。下記を検証してみる。
1はできるが2はわからない。でも、ポータブルってことはできるのかな?
3は無理だろうと予想する。
まずはUSBメモリを作成した、Dell Inspironに差し込んで起動してみる。
デスクトップならBIOS画面はF2で入るが、はて?どうするのだろ。
ググると、Dellのアイコンが表示されている間にF12を押せばよいそうだ。いろいろなパターンがあるよな。
F12を押すと、ブートを選択できる。一番上のWindows Boot Managerを選択してEnterキーを押したらUSBメモリから起動した。
すんごく待たされて、そう、ログイン画面が出るまで5分くらい、その後もデスクトップが表示されるまで同じくらい待って、SSDで起動したときと同じ画面が表示された。そりゃそうだ、クローンなのだから。
ここでエクスプローラを開くと、もともとなかったDドライブが見える。
あれ、AドライブとCドライブになると思っていたのだが。
とりあえず、起動を確認できたのでここまでだ。シャットダウンも3分以上かかって停止した。
次は同じインテルCPUだけど、世代の異なる第6世代の自作デスクトップPCであるJisaku6に対して実行してみる。
当然だが、USBメモリ内のOSはDell Inspironのクローンなので、ドライバとハードウェアがあってない、などいろいろ問題が出るだろう。
無事起動するのかな?
まずはUSBメモリを差し込んで、起動。DELキーを押してBIOSを呼び、USBメモリから起動させる。
とっても長く時間がかかって、ログイン画面が表示される。あれ。途中で再起動してしまったようで、本来のSSDで起動してしまったようだ。
再度BIOSからUSBメモリを指定して起動させる。先ほどのInspironとは異なり、そのままではログインできないようだ。PINの設定し直しが必要という。
これって、クローンしたVMで初回起動すると同様に表示されている。マイクロソフトIDとOPSに対するSID、それからPCのでデバイス構成があっていないと判断されているのだろうか。
マイクロソフトIDでログインできたのでデスクトップが表示されるのをまた数分(あるいは10分以上)待つ。
やはり、USBメモリだから遅いのだろう。
デスクトップ上でいろんな情報を調べた。まずはドライブ。もともとのJisaku6ではC~GドライブがHDDあるいはSSDを割り当てている。DドライブにBDドライブという時点で、現在の起動はUSBからしているとわかる。
それから、デバイスドライバの設定。不明なものは、Inspironには組み込まれていない、Jisaku6オリジナルのデバイスがあって、そのドライバが組み込まれていない、という事だろう。
OSのバージョンも確認。PCの名前がInspironになっているところからも、USBで起動しているといえる。
おまけにWindowsはHomeエディションだ。Jisaku6はHyper-Vを使うため、Proエディションで作っている。
最後にこれら作業をしているときのタスクマネージャの表示。全くCPUなどは消費していない。Cドライブ=USBメモリがないのでわからないが、このアクセスが遅い原因だろう。
やろうと思っていたが、2の確認でも結構な時間をとったので省略。32ビットCPUであることもあり、多分無理だろう。
業務に使うPCなどで故障を回避したい場合、EaseUS Partition Masterでも書いたが、OSドライブのクローンを作っておき、安全に保管しておく。これで故障してもすぐ復旧できる。
このバリエーションとして、保管するOSドライブをUSBメモリを作っておき、とりあえずの復旧をさせる用途に使えるだろう。
OS用ドライブも含めて、アクセスが可能だ。でもこの使い方は二次的なものだ。
本題である、ポータブルなWindows OSを作るという点で発見があった。
クローンを作ったPCでは当然起動する。ノートPCと異なるデスクトップPCでも起動した。同じインテルCPUで異なる世代のPCだ。いくつかのハードウェア特有のデバイスは認識しなかったが、ディスプレイ普通に対応し普通のマウスで操作することができた。ネットワークも使えていた。
ということは、USBの中に自分の環境をいれておくことで、文字通りポータブルに自分の環境を持ち運び、出先でPCを借りてUSBブートにより、自分の環境で操作することができる。
しかしながら、借用するPCにWindowsがインストールされていれば、上記のようにPIN番号の再設定、といった不毛な設定処理が走ると思う。都合よく何もインストールされていない、あるいはLinuxがインストールされたPCがあるとは思えない。キーボードの慣れをあって、借用してまでPCを使う用途があるのか疑問だ。
USBメモリでは遅すぎたので、USB接続のSSDで試してみたかったが、手持ちにないので今回はやっていない。
SSDであればユーザ・エクスペリエンスも異なり、起動に10分もかかる、なんてことはなかっただろう。
バックアップのためUSBブートのWindowsを作りたい人には最適なツール。しかしUSBメモリではなくSSDを用意すべきことを注意点としておきたい。
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