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知っている人は知っているが意外と知られていない固定電話のサービス変更がNTTから発表された。
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電話は約150年前の1876年にUSのグラハム・ベルにより発明され、以来遠距離間の通信では欠かせない存在だ。
当時からちょっと前までは局舎と加入者の家や会社に専用の電話線を引き、その線を音声信号が伝わって双方の声が聞こえるという仕組みだ。
サービス開始当初は交換台を介して、交換手に宛先を告げることで物理的な線をつなぎ変えてもらって、双方の音声通話を実現していた。
時が流れて交換台と交換手はコストがかかるため、機械に置き換えられていった。いわゆる電話の交換機というものだ。
この交換機をNTTに収める4つの会社が電電4兄弟と言われ、NEC、富士通、日立、沖の各社の経営は盤石な状態だった。
そこに黒船がやってくる。まずは第二電電、今のKDDIという、電気通信の自由化に伴う競争相手の登場だ。
他にも数社できたが、NTTと競うレベルには成長できなかった印象だ。
そして次にやってきたのがIP化だ。これがNTTが恐れるレベルの変革をもたらした。
NGN、Next Generation Networkというものが10年ちょっと前に流行った。
これのコンセプトを簡単に言えば、IP網と電話網の統合だ。テレビなど放送も含めて、通信のインフラはIPネットワークに集約し、その上に電話、インターネット、テレビ放送などを流す。これにより複数のインフラを維持せず1つのIPネットワークだけで良くなり、将来のコストは少なくなる。
NGNの詳細は下記参照。
このNGNを使った電話サービスの再構築をNTTが進めてきたが、いよいよ最終段階に来たようだ。
NTTはNGNを使用した電話サービスの変更の完成に向けて、具体的なサービス変更を発表した。
詳細は下記にある。
かいつまんで説明する。
最も大きいのは料金だろうか。電話は従来は距離に応じた料金設定がされていた。IP電話や携帯電話の普及で忘れてしまった諸兄が多いと思うが、この制度はまだ続いていた。
これがとうとう撤廃される。
上図の1行目の固定電話→固定電話のケースが一律9.35円/3分になる。3分10円といえば以前は市内局番が同じ場合だけだった。
料金以外でも終了するサービスがある。2024年1月の終了だ。
また、ひっそりと書かれているが、右上1行目にINSネット(ディジタル通信モード)が書かれているが、これはいわゆるISDNだろう。アナログ回線全盛のころに次世代の通信インフラとしてNTT主導で開発されてきたISDNがいよいよ終了する。一つの時代の終わりを象徴している事件だ。
料金の一律化により、下記割引サービスが軒並み終る。テレホーダイ、懐かしい。
携帯電話を使うことが多くなった今、現役世代はこういう契約をしていることもないだろう。
1人に1台以上の普及をしている携帯電話があるので、固定電話の未来は明るくない。
それでも一定の需要があるため、NTTなど免許を得てサービス提供する企業は継続していくしかないのだろう。
今でも携帯電話の電波が届きにくい離島、山間部はあるし、そういうところでも固定電話はつながってほしい。。
将来にわたって固定電話サービスを提供するため、NTTはNGNを採用したのであろう。
4K解像度のテレビ放送は地上波では難しいので、衛星かケーブルしかない。NGNは4kテレビ放送にも貢献するのであろう。
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