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政府は先日の閣議で、携帯電話料金の値下げを見込む
電気通信事業法の改正案を決定した。
これにより2019年夏頃に法律が施行され、タイトルの通り通話料、
データ通信料は値下げ、逆に端末代は値上げになりそうだ。
具体的にはどうなりそうかを考察した。
今までは高額な通話料、データ通信料に裏付けられて、代わりに端末代を安くしていた。
いわゆる0円端末、あるいは高額なキャッシュバックがついたものだ。
0円端末は一時的に総務省の指導により禁止となったため鳴りを潜めたが、すぐに復活。
今でもキャッシュバックがある端末を探すことは苦労せずできる。
近所のMNOのキャリアショップでは2回線で19万円キャッシュバック、なんて広告が置かれている。
この制度、高価な買い物である端末を安くして、しかも24回払いで支払えるようにしたことで、
黎明期の携帯電話を売る手段として考えられ、実際にこのおかげで爆発的に普及した。
20世紀末では携帯電話といえばせいぜい社会人、大学生が持つくらいで、
中高生はPHSかポケベルだった。携帯電話の毎月の負担が安くなったことで一気に駆逐し、
今ではキッズケータイとして小学生、あるいはそれ未満の子供でも持つ時代になった。
一人一台持つことが当たり前になり、家の固定電話が不要になったから解約という話もよく聞く。
こういうふうに普及率を上げるにはいい方法だったが、飽和状態になった今は、
この仕組みは同じ端末を大事に長く使う人に負担を強いて、その恩恵は頻繁に端末を
変える人のみとなり、不公平感が蔓延してきている。
消費税10%への増税を前に、少しでも逆に値下げとなる目玉が欲しい政府の思惑なのか、
携帯電話の通話料、データ通信料がやり玉に上がったようだ。
これにより、長く使う人ほど通話料、通信料の値下げの恩恵で安くできる。
端末セットの仕組みとセットになっていたのが、所謂2年縛りだ。2年に一度の特定の
時期以外に解約すると高い違約金を取られる。代わりに基本料が安くなるというこの制度。
このためにユーザが自由に事業者やプランを比べて選べない。この制度もやり玉に
上がっており、やめる方針だ。既に更新月以外でも解約料が不要なMNOも出てきている。
(と言ってもまだ通年ではないが)
まず、端末を変えないユーザはそのままの契約で安くなるのだろう。いままで余分に
取られて還元されなかったのだから。大半のユーザは嬉しいはずだ。
問題は機種変更をするときだ。
古くなった、故障した、バッテリがすぐなくなるようになった、などの理由で、
2-4年程度で多くの人は機種変更する。今までならMNPで高額なキャッシュバックが
あったが、その可能性はかなり少ないだろう。
となると、例えばiPhoneの新機種に変えたい場合、Xから10万円超えになったわけだが、
これからはその満額が請求される可能性がある。高い通話料、データ通信料を原資と
した端末の値引きは法律で禁止されるので、何らかの新しい抜け道が開発されない限り、
端末代の値引きはない。
となるとMNOで買う必要がなくなるので、SIMフリー端末を量販店やネット通販で
買うことになるだろう。10万円をキャッシュで払えない場合は一般的な分割払いで
買うことになる。そういえば、楽天モバイルは既に端末の分割購入は楽天カードで対応している。

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SIMフリー端末であり2年縛りがなくなれば、気楽にMNPでキャリアの変更もあるだろう。
ユーザ数が減ると収益に見えてくるので、引き止めるために何らかのキャンペーンが
あるかもしれない。例えば、少ない原資ではあっても端末代の補助かもしれないし、
データ量の増量かもしれない。
そして高い端末が嫌になり、安い機種に流れていくのではないか。例えば自分が
使っているものを例にすると、Xperia XZ1は当時定価で8万円強だった。
一方のmoto G6 plusは4万円弱だ。カメラ性能とかNFCとかこだわりポイントはあるものの、
それらを妥協できるならXperia XZ1である必要はない。moto G6 plusは24回分割、
毎月1500円で買っている。同じ期間でXperia XZ1を買う場合は、単純に倍の金額だ。
もっと高額なiPhoneなど買える気がしない。よほどこだわりを持たない限り、
高級高額の機種は淘汰されるのではないか。
こだわりのある高級機種を手に入れたいなら、夏の法律施行までに機種変更して、
その後の通話料、データ通信料の値下げも享受できるようにするのが一番いいだろう。
ただし、この方法、誰もが容易に考えつくので何らかのペナルティがあるかもしれない。
それはまだまだ先の話なので、今は準備もできないだろうな。
端末代の値引きがなくなり、通話料、データ通信料の値下げになれば、自然とMNOの価格が
MVNO並みになってくる。どこまで下がるだろうか。また、MVNOをやめてMNOと契約すべきだろうか。
「4割下がるはず」、という仮定をそのまま使うと、10分のカケホーダイ、ビタットプラン3GBの
料金が約5500円。4割下がると、3300円。
一方でmineoで通話定額10分、データ通信3GBで契約すると、約2500円。

その差は800円に縮まる。800円の追加で昼休みでも速いMNOのデータ通信を使えるなら、自分ならMVNOをやめてauにまとめるだろう。
もっとも、過去のKDDI社長の質疑の記事によると既に4割値下げの一部をビタットプランは実現しているそうなので、実際はこんなに下がらないと思われる。可能性としてあるのは、他社が下げて追従することぐらいか。
5月6月のドコモの動きを見て、他社の追従状況を見てからでもいいと思う。
今の端末に不満がなければ、そのまま使い続ければいい。おそらくより魅力的な端末はよりあとに発表される。
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