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こんなことがあるんだ。他人のことなので平然と聞いていられるが、結構身近に起きていることなので改めて考えてみる。
スマートロックを提供するQrioの製品、Q-SL1がサービス終了となり、利用不可能になっていく。
スマートフォン、タブレットに関するニュースのまとめはこちら。
すでに知っている人のほうが多いと思うが、改めて説明しておく。
住宅というものは実はデジタル化が遅れている分野で、ちょっと前までエアコンのON/OFFや温度調整はその場でリモコンを操作しないとできないものだった。
ちょっと前にネットにつながり赤外線で互換性のある信号を発することができる機器がでてきて、やっと家の外でもエアコンなど電気機器の制御ができるようになった。最近では製品そのものがネットにつながり、直接制御できるものもある。
電気製品をとってもこうなのだから、人力で動かすものは全く進んでいなかった。そんな中でも目立った進化はロボット掃除機。
そして時間になるとカーテンを開ける機器がでて、今では玄関のカギを開けることもできるようになった。
以前から企業などでは来訪者がいると受付の人が確認してボタンを押すとロックが外れて入ることができる。資格を持つ人はカードなどで開錠できる。
こんな操作を既設のドアで実現する手段がスマートロックといわれる製品で、代表的なものがQrioの製品だ。
できている玄関ドアに対して後から電気的な仕組みを入れるのは簡単ではない。電気配線が必要であり、何より自己所有ならともかく賃貸ではドアの交換そのものができない。したら退去時に復旧する必要がある。
そこで生まれたアイデアが、玄関の鍵、サムターンを機械的に回転させる機器だ。
この機器をBluetoothでスマホなどから操作することで、開錠、施錠ができる。
これだけ聞くと便利な製品だ。鍵を持たずにスマホだけで出かけることができる。万歳!となる。
Q-SL1を製造するメーカであるQrioが最近発表した。Q-SL1は2015年から販売してきたがすでに製造中止しており、5年前に出荷を終えている。
さらに7月31日にアプリの新規インストールが終了し、10月31日に利用ができなくなる。クラウド側のサービスが終了してしまうので、開錠も施錠もできなくなる。
Q-SL1オーナには後継機のセールを案内するそうだ。
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Qrioの発表を読むと、10年近く前の設計であり、買い切り型製品であるため部材などを再確保が難しく再生産ができないのであろう。
PCやスマホのように次々と互換性のある製品を作り出せるほどの市場マーケットもないので、新たな部材に適したソフトウェア、サービスで作るしかなく、このため、Q-SL1のサポートが終了するようだ。
日本の法律では製造後7年間は修理の受付が必要でありこれは満たしていると思われる。ただ新たな部材を買い付けることは困難で、通常は部材を生産時に余計に買い込んで保存しておくしかない。これがなくなれば生産も修理もできない。
そしてクラウドとはいえサービスのメンテナンスに時間も費用も掛かる。これがQ-SL1の生み出す利益に見合わなくなったのだろう。
クラウドを使ったゲームでも一定数のユーザを確保できなくなればサービスを終了する。それと同じことをQrioがやっている、ということだろう。
しかしゲームと違うのは、家の玄関というセキュリティ上重要な箇所を任せる、決して安くない製品が10年足らずで使えなくなったことだろう。
最近買った人であればわずか1、2年で使えない物体になってしまったといえる。
自分もこういう製品があることは引っ越しの際に調べていたのでいったん購入を考えた。興味があったからだ。
しかし下記の理由で導入はやめた。
主に1番目、2番目が懸念されてやめたのだが、今回のQrioの発表は3番目の懸念が顕在化した様だ。
お金や人命に関するようなところにはベンチャーなどが作る、長年の裏付けがない製品を使うのはちょっと怖い。
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