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すでに終息しつつあると思うが、とあるテレビ番組で流した情報により
スマホが使えなくなった人が続出した問題に思うことを書く。
発端は6月27日に放映された、日本テレビ系列の番組「世界一受けたい授業」だ。
この番組は毎回各界の著名人やエキスパートを招いて、世間で話題になっていることや
意外に知られていないことを教えてくれる番組だ。
ここの企画で「あなたのスマホがとにかく危ない!個人情報の特定屋とは!?」という放送があった。
刑事コメンテーターなる人が犯罪から身を守るためのセキュリティ対策として、スマホの設定をこうすべきという話をした。
明日🌃夜7時56分の #世界一受けたい授業
あなたのスマホ📱が危ない⚡
🤳SNSにあげた1枚の写真から個人情報を調べあげる‘’👥特定屋‘’って何者⁉️#川崎希 さんが恐怖体験を告白💬
👪家族で確認✅写真をあげる際に気を付けるべきこと✏️
【ゲスト】#くっきー #鈴江奈々 #千葉雄大 #福原遥 pic.twitter.com/TlMANXoYHu
— 【公式】世界一受けたい授業! (@seka1jugyou_ntv) June 26, 2020
問題は紹介された操作対象だ。
紹介されたのがSIMカードロックというもの。スマホのロックはPINコードや
パターン、指紋認証、最近は顔認証でやっているだろう。
それだけではなく、実はSIMカード自身にも設定できるものがあるという。これは知らなかった。
SIMカードロックでは、4桁のPINコードを設定する。これを初期設定から変えることで
セキュリティ対策しようという事らしい。
どんな暗証番号でも数回誤れば通常はロックがかかる。一定時間で解けるものもあれば、
発行元にもっていって解除してもらうものもある。
先日あった特別給付金をマイナンバーカードで申し込もうとして、しかしパスワードを
忘れてしまいロックがかかり、解除のために混雑している市役所などの窓口に
何人も何時間も並ぶという、本末転倒なことがあったことは記憶にあるだろう。
このSIMカードも入力を3回間違えたらロックし、音声通話やデータ通信ができなくなる。
SIMカードがロックされるので、電波をつかまなくなる、ってことだろう。
この番組を見てそのまま実行してしまってロックさせてしまった人が、翌日からキャリアの
ショップに押し寄せたようだ。3000円払ってSIMカードを再発行する羽目になったようだ。
よく調べもしないでテレビで放映されたことを実施してしまうという事にまず問題がありそうだ。
チャレンジ精神はいいのだが、その結果を自分でリカバリできないのであれば結局困ることが待っている。
会社用のスマホでやってしまえば、その日から業務に支障があるだろう。
個人用であっても楽しみにしていた予定ができなかったり、メールやLINEの連絡が取れなかったりと、
不都合があった人はいると思う。
また、人に言われたことをうのみにして、そのまま実施することは詐欺にあう可能性がある。もしかしたら
他人への犯罪に加担させられる場合もあるかもしれない。有益といわれたソフトウェアをインストールしたら
DOS攻撃の踏み台にされた、というたぐいの話だ。
セキュリティ対策を深くするほど利便性が失われる。
その妥協点として指紋認証や顔認証が登場した。銀行のATMでは静脈認証ってものもある。
しかしこれらもその人が持つ個体情報をコピーできる手段が安価に誰でも使えるようになれば意味をなさない。
指紋認証は現時点でもできそうだ。顔認証はまだかな。マスクをしても判別できるという話になってきたので、
いわゆるざわちんメイクでそこを突いて突破されそうな気がする。
そうなると複数個組み合わせてとなるが、詐欺集団に対してはそんな自衛策はたやすく突破できるだろう。
こうなってくると個人ごとにそれこそマイナンバーを識別する小さなチップを埋め込んで
そのチップを認証手段にするような仕組みが必要になってくるのかもしれない。
世間では量子コンピュータの実用化により、複雑な暗号が一瞬で解読されるリスクが声高になってきている。
これを対策するために絶対解読できない方法の検討も進んでいるようだ。量子暗号通信といわれる。
世界中でこの技術は注目されており、10年程度で機密情報はこうした方法で守られる世界になっているだろう。
その一方でコンシューマにはこんなコストが高い方法は適用できないので、別の方法が必要になる。
量子コンピュータが安価に利用できるようになったら、いまのパスワード制度は全部見破られてしまうだろう。
きっといいソリューションがでてくるのだろうが、イタチごっこが繰り返されるだけだ。
ソフトウェアには不可能はないから。
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