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2021年度からホールディング制に移行したソニーグループが3Qの決算を発表した。
その中でプレステ5についての報告があった。
ソニープレステ5についてのまとめはこちら。
Q3の決算報告は下記から参照できる。
任天堂と異なりソニーグループは電気製品、金融、音楽と幅広い事業があるので全部を拾う事はしないが、
プレステ5の属するゲーム&ネットワークサービス分野(G&NS分野)について要点を書く。
FY21の3Q決算は昨年度と比較して減収増益。
売上高は-700億円の減収で、原因はハードウェア売り上げの減少、自社制作、自社以外制作のソフトウェアの売り上げ減少による。
ハードウェアの売り上げ減少の要因は、プレステ5を思うように生産、販売できない一方で、プレステ4は需要がなくなってきたので売れないのだろう。
本体が売れなければ周辺機器も売れないので連鎖していそうだ。
営業利益は121億円の増益。原因は販売費の減少、ハードウェア販売時のロスの減少が貢献している。
前者はおそらくプロモーションのために小売店に渡す販促費などを払わなくてもプレステ5は売れるので、払わなかったのだろう。
後者は複雑だ。一般的にゲーム機本体はハードウェア単体は赤字で、ソフトウェアの売り上げで回収するというビジネスモデルだ。このためハードウェアばかり売れてソフトウェアが売れなければ倒産してしまう。
現状はその逆で、売るハードウェアが生産できずに売ることができないので、結果的に売れば被るはずの赤字を被らなくて済んだ、ということだろう。
プレステ5のハードウェアは最新のPC並みの仕様なので、同じ構成をPCで作ろうとするとあの価格では到底できない。
およそ倍額になると思う。部材の大量発注で安く仕入れるとしても限界はあるので、1台売れるたびに結構な損失が生まれていると思われる。それがハードウェア生産が減ったためにその損失が少なく済んだという事だ。
ソニーの担当者としては決して喜べない増益という事だ。
売上高は1,700億円の下方修正で通期で2.73兆円。下方修正の理由はプレステ5の販売台数の減少。
Game Watchによれば、生産台数は1,150万台の見込みで当初の予定から330万台の減少。この数字が1,700億円にぴたりと合う。
営業利益は逆に200億円の上方修正で、通期で3,450億円。増加要因は販売費、販管費の減少。
G&NS分野は今のソニーの稼ぎ頭の一つであり、祖業の電気製品の売り上げ、利益ともに上回る。
しかし利益だけで見ると映画分野に負けているし、電気製品、イメージセンシングも迫っている。
ハードウェアの供給問題が長期化すると将来計画に影響して、いつかは分離するような日が来るかもしれない。
ソニーの本業が今は何なのか分からなくなってきている。G&NS分野は他とのシナジーが見えないので、先々難しいかもしれない。
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