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HDDは今や3社が生産するのみになっている。
その一角の東芝が、HDDの増産計画をしているそうだ。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。
日経によれば、東芝はHDD生産の主力工場に対して投資し、2023年3月期末までに2021年3月期末の倍の生産能力に高める。
データセンタ向けの12TB~18TBの大容量HDDを増産する。
この投資は需要増に応えるためだが、その需要増の原因はクラウドサービスの普及と5Gの普及によりデータセンタが増設されているためだそうだ。
東芝はもともと大容量HDDの開発に遅れ、主力だった2.5インチHDDはSSDに置き換わりが進んで実質撤退状態となっている。このためこれからも需要が見込めるデータセンタ向けの大容量ニアラインHDDに開発リソースを注力し、大容量化を進めていくようだ。
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では、実際にデータセンタってどのくらい増えているのだろうか?
データセンタというとGoogle、aws、マイクロソフトが持つ自前のものがあるが、実際はラック単位で貸し出しを行うコロケーション業者のデータセンタが多く使われる。
コロケーション業者のデータセンタは全国各地にあるそうで、しかし情報が蓄積されていることからその建物がデータセンタであることは秘密にされている。
諸兄の近所に5階建てぐらいで大きな窓が少ない建物、しかし入口に看板はなく防犯カメラがあり、普段は人の出入りは少ないのに、夜中にやってくる人がいたり、ある時はトラック何台かでサーバなどを運び込んでいることを見かける建物があるかもしれない。それはおそらくデータセンタだ。
自分も本業で何か所かデータセンタに行ったことがある。最寄駅から遠いけど住宅地の中にある建物、山の中の工業団地、はたまた都心のビルの地下。いろんなパターンがあった。
世界的にも有名なコロケーション業者であるEQUINIXの場合を調べてみた。
EQUINIXは世界中でラック単位で貸し出す事業を展開している。ITベンダというよりは不動産屋だ。
そのため、ここは中立的な立場なので様々な事業者がラックを借りて、相互接続できるようにしている。
たとえばaws,Azureといったクラウド事業者にユーザ企業が専用線で接続したい場合、ユーザ企業もデータセンタ内に1ラック借りて、クラウド事業者と接続する。ラックとユーザ企業とは通信事業者により専用線を敷設する。
これでawsでいうところのDirect Connectによる、プライベートクラウドとパブリッククラウドを接続した、ハイブリッドクラウド構成が可能になる。
そんなEQUINIXのニュースリリースをみると、2021年は東京と大阪に1つずつ新規に開設している。
東京は12か所、大阪は2か所だ。以前に別の業者を買収したため、東京は12か所となっている。
1か所ずつが数百ラックを収容する建物と思うので、多数のサーバが稼動している。
サーバ1台に2つのデータ用HDDを載せるとしても、1つのデータセンタが開設してそこに200~300台の新サーバが持ち込まれれば、400~600台のHDDの需要が発生する。
また故障に備えた予備のパーツとして保管されるし、ストレージ用のサーバもある。
1か所できたら1000台くらいの需要が発生すると言えそうだ。
データセンタ増設の動きは日本だけではなく世界中で起きている。データは増える一方なので、大容量HDDの需要はどんどん増えていく。このような背景でデータセンタ向け大容量HDDの需要は当面旺盛だ。
東芝だけでなくWD,シーゲートも同様に増産していくだろう。個人用途で10TB超のHDDを使えるような価格になる日は案外近いかもしれない。
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