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既報だが3月1日にヤフー親会社のZホールディングスとLINEが経営統合した。
IT業界に関するニュースのまとめはこちら。
統合するとニュースが出たのは1年くらい前だろうか。コロナ禍の影響で経営統合が3月1日に延期されていた。
ヤフーとLINE。被るサービスが少ない中でお互いのサービスとの統合により大きく成長することを
めざしての統合と言えそうだ。
新生ZHDの2023年度の売上収益は2兆円、営業利益は2,250億円を目指すそうだ。
両社はその親会社であるソフトバンクとNAVERの思惑があって、業務提携、さらに進めて経営統合に
進んできた。ソフトバンクとしてはLINEという超巨大なコンテンツプラットフォームを手に入れる
事ができた。この結果が20GB低価格料金プランであるサービス名にLINEMOと名付けることで見えている。
LINEというコンテンツプラットフォームは携帯電話事業と相乗効果がある。
NAVERから見れば、もともと日本支社で進めていたLINEが大きく成長しているものの、他にこれといった
シナジーを期待できると思えなかったのであろうか。LINEのみで単独で成長していく方法は無理と見て、
NAVERの得意分野でZHDに入り込んでいく道を選んだようだ。
上記発表に書かれているが、新生ZHDでは下記4つを集中領域として定義し、資金、人材を重点的に
投入していくようだ。
LINEを使ったソーシャルコマースを進める。LINEギフトを友達に贈り、その友人がギフトで
Yahoo!ショッピングで買物をする。そういうエコシステムを考えているようだ。
聞きなれない言葉だが、飲食や旅行の予約を指すようだ。AIの活用により、ユーザのマッチング精度を
向上させていき、利便性向上を図る。その中では出前館のインフラ活用も検討するそうだ。
さらに広告プラットフォームの連携で、Yahoo! JAPAN、LINE、PayPayで新しいソリューションを
提供するそうだ。広告から何らかの商品を購入したユーザにクーポンを付与して再購入を勧めると
いったことを考える。効率的な宣伝活動になるが、度が過ぎると気味が悪いといわれかねない。
微調整がありそうだ。
ユーザに見える統合メリットはこれではないだろうか。LINE PayとPayPayが統合し、PayPayが存続する。
乱立したQRコード決済システムの中でまた1つ消えることになる。乱立しているから時間の問題と
思っていたが、まさかLINE Payのようにある程度大きくなったサービスが退場するとは思っていなかった。
2021年4月以降にPayPay利用可能な300万以上の店舗でLINE Payが使えるようになり、2022年4月に
統合される。新生ZHD誕生を記念してPayPayはこの3月に大規模なキャンペーンを行っている。
DXにより行政、防災、ヘルスケアに注力していく。DXとはデジタルトランスフォーメーションのことで
ここ数年のITではキーワードだ。
一方でYahoo!ニュースやLINEニュースは統合せず併存するそうだ。
ZHDはすべてのサービスにAIを実装する。そのために5年間で5,000億円を投資すると宣言している。
LINEは日本初とはいえ海外でも使われている。これを起点に海外進出を図っていくそうだ。
新生ZHDができた背景には、USにおけるGAFAの存在がありそうだ。
GAFAとはGoogle, Amazon, Facebook, Appleの略でこれにMicrosoftをいれる場合も有る。
これら巨大なIT企業に対して、製造業を主としてきた日本の企業は規模で大きく差をつけられている。
日経にこんな記事があった。
時価総額、売り上げ、営業利益どれを見ても桁が1つ違う。一方で従業員数は多い。
日本の企業に共通して言える、海外企業に対して生産性が低い、という事であろう。
このあたりの問題を解決しないと次の経営統合、次の合併を繰り返してもGAFAの背中は見えてこない。
GAFAは巨大になりすぎたが、そうさせてしまったのは競合する企業がいなかったからだ。
国内ではZHDに続く経営統合、合併の話は聞こえてこない、プレイヤがいないのだろう。
情報処理サービスにおける多極化を目指すZHDの行方は今後も注目だ。
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