スポンサーリンク
予告があったAMDの発表会にて、Zen3アーキテクチャの
新CPUが発表された。
CPU,SoCニュースのまとめはこちら。
AMDはCPUのアーキテクチャであるZenシリーズを刷新して、Zen 3アーキテクチャを発表した。
同時にZen3アーキテクチャを採用したデスクトップ用CPUの発表をした。
モデルナンバは順当にRyzen 5000シリーズとなった。11月5日に発売。
その特徴を順に見ていく。
出典:AMD WEBページ
今回のアーキテクチャ刷新の目的は、ゲーム性能でもインテルを抜く、という事だったのだろう。
様々な工夫により、インテルを抜いたと宣言している。(インテルはたぶん負けてない反証を今後も出してくると思うが)
これらにより多くのゲームでは今までのZen2アーキテクチャ製品の30%性能が向上しているそうだ。
具体的な工夫たちは下記のものだ。
クロック当たりの命令実行数(IPC)はZen 2アーキテクチャより19%向上した。
1回の動作クロック中に約2割増しの実行ができるので、単純に考えれば同じ動作クロックなら20%増しの処理ができる。
このためシングルスレッド性能でもIntelを上回っている、という。
必要に応じてプロセッサ周波数を自動的にあげる。これはあまり変わっていない印象。
高速化のためのキャッシュ周りのテコ入れも実施している。
Zen2アーキテクチャでは4コアが16MBの共有キャッシュを利用するブロックがあり、これを1つのダイの上に
2つおく構成であった。Zen3アーキテクチャではこのブロックの壁を取り去り、8コアが32MBの共有キャッシュを
持つ構成だ。これにより4コアの境界をまたぐコア間通信のレイテンシ(遅延)が削減されている。
5コア以上にまたがるアプリケーション、ゲームではこのレイテンシがないことで性能が落ちなくて済む。
特にゲームや動画編集などのクリエイティブなアプリケーションでは有効そうだ。
今回は4つのモデルが発表されている。
Ryzen9 5950X | Ryzen9 5900X | Ryzen7 5800X | Ryzen5 5600X | |
コア数/スレッド数 | 16 / 32 | 12 / 24 | 8 / 16 | 6 / 12 |
ベースクロック/最大クロック | 3.4GHz / 4.9GHz | 3.7GHz / 4.8GHz | 3.8GHz / 4.7GHz | 3.7GHz / 4.6GHz |
キャッシュ容量 L2/L3 | 8MB / 64MB | 6MB / 64MB | 4MB / 32MB | 3MB / 64MB |
TDP | 105W | 65W | ||
メモリ規格 | DDR4 3200MHz |
合わせて今後のロードマップも紹介され、次のZen4アーキテクチャは5nmプロセスで作られるそうだ。
5nmの次はたぶん3nmなのだろうが、その次はいよいよpm(ピコメートル)が見えてくるはずだ。
nmが1mの100万分の1mなので、pmになると10億分の1mになる。途方もなく細かい電気回路上に大量のトランジスタが
集積される。熱は?波動性は見えてくるのか?いろいろ興味がある。
自作PCを何の用途によって作るかによると思う。
とにかく速い動作が期待でき、ゲームやクリエイティブなアプリケーションに使いたいなら、製品リリース後の評判を
見極めたうえで購入する見当ができそうだ。さすがに人の評判(人柱報告)を待たずに買うのは自分ならできない。
一方で在宅勤務で使う、オフィスアプリケーションのみの用途なら、Ryzen3xxxシリーズでもいいし、コストを求めるなら
GPUを内蔵するRyzen4xxxでもいいだろう。旧規格の処分品で安ければインテルでもいい。
数年使ってまた新しくするつもりなら、とことん安いボリュームゾーンの部品で構成するのが失敗する可能性が低い。
さて自分はどうしようか。昨年から半年かけて作ったZen2アーキテクチャのJisaku7がある。性能はまだ困っていない。
Skylakeの6700Kで作ったJisaku6からJisaku7に変えたら可なり速くなっていて驚いた。
そういう経験を安く体験できるように環境が整うのは3年くらい後だろうか。
PCI/eが5になり、USB4が標準になったころにJisaku8を考えようかと思う。
PR