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ドコモがラインナップを完成 OCNモバイル、Toneモバイルと組んで他社を追撃

 

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ドコモがラインナップを完成 OCNモバイル、Toneモバイルと組んで他社を追撃

ドコモから発表があり、ローエンドのMVNOラインナップを提供することになった。
ドコモについてのまとめはこちら。

この記事のポイント

  • ドコモのローエンドをカバーするラインナップがなかった
  • povo2.0、LINEMO3GBに対抗するため、MVNOと提携
  • ドコモショップでの対応やdポイントの付与が予定され、MVNOがエコシステムに取り込まれる

 

ドコモのラインナップ戦略

プレスリリースが出て、発表された。まずはそこで使われた図を引用する。

ドコモ発表

ドコモ発表 出典:ドコモWEBページ

ドコモは携帯業界では日本で1位のシェアであるが、au、ソフトバンクと異なりラインナップ展開をあまりしていない。
通常、1位の企業はその地位を守るため、様々なバリエーションを揃えた展開をしてくる。バリエーションを増やすことで、需要をまんべんなく受け取る裾野を広げることができる。
2位以下はそこまで費用、リソースを揃えられないので、ターゲットを絞ってそこで1位をとるように仕掛けてくる。
楽天モバイルがいい例で、最後発の4位発進なので同じやり方でやっては他の3社に勝てるはずがない。楽天は楽天市場というエコシステムを武器に1年無料、ワンプランという切り口で500万近い契約を獲得してきた。

そういう点でドコモの昨年末までの戦い方は2位3位の会社のようだなと思ってきた。それが変わったのはahamoの登場だった。
これによりドコモはドコモ本流とahamoahamoという2つのラインナップを揃えている。

一方でau、ソフトバンクはドコモとは違う戦い方をしているトップの本流のサービス、次が20GBまでの低価格帯、そしてその下にはサブブランドとMVNOだ。
サブブランドはUQモバイルとY!モバイルだ。速度は本流並み、価格はMVNOに近いというどっちもいいところをとっている。店頭対応もあるので、MVNOで不安な客層にはお勧めだろう。

一方でMVNOは低価格だが速度が遅いという欠点がある。その事情を理解したうえで使えば何も問題ない。月3GBで数千円支払う必要はない。MVNOのデータ通信専用SIMなら1,000円未満で使うことができる。

店頭対応がないなどいろんな問題があるのでMVNOを使う人は限られてきたが、ahamo、povo、LINEMOの登場で料金の値下げ圧力は一層強くなり、MVNOを低価格で使いやすいラインナップに再整備する必要がでてきた。
具体的にはドコモのラインナップに月額1,000円、2,000円の音声通話プランが必要という事だ。

ドコモの発表内容

自社のラインナップをもたないドコモにとって、ahamoの下のラインナップはドコモ回線を使う他社資本のMVNOしかなかった。今まではそれでよかったのだが、NTTによる買収や社長の交代などで事情が変わってきたようだ。
ドコモはいよいよローエンドのエリアをMVNOで埋める決意をした。

発表内容はこちら。

ドコモ発表

ドコモ発表

投入する理由を引用する。

小容量プランよりもさらに低廉な料金サービスをご希望されるお客さまのニーズに、おこたえするようなサービスの充実をめざします。
料金サービスの提供主体はエコノミーMVNOとなりますが、利用料金に応じたdポイントの進呈※1や、マイページなどのdアカウントでの認証、通信料金へのdポイントの充当※2など、おトクで便利なドコモならではの連携を展開してまいります。

3GBでも多い。
そういうユーザが一定数いるという事だ。
実際、在宅勤務継続中の自分の場合、povoやMVNOのパケットの大多数は使わず消えている。WiFiを使うことが多い一方で、データ通信は3GBも使っていない。もったいない。

そういう客層がMNO他社(povo2.0や楽天を意識していると思われる)やMVNOに流れていくことを看過できなくなったのだろう。ユーザ減が深刻な状況なのだろうか。
驚いたのは引用の後半にある、dアカウント、dポイントの開放だ。系列のMVNOだからと言ってauやソフトバンクはこれら認証機能やポイント付与は別にしている。ドコモは一緒にして囲い込むようだ。

さらに驚いたのは、

全国のドコモショップ約2,300店舗で、エコノミーMVNOの提供する料金サービスの新規契約などが可能となるため、インターネットでのお手続きやスマートフォンの初期設定が不安なお客さまも安心してご利用いただけます。

なんとMVNOなのにドコモショップで契約できるという。設定がわからない時は(有償無償はわからないが)助けてくれるようだ。

これは画期的だ。MVNOは店舗展開する資金もないし、その費用を安くする原資に回している。だから安いし、店舗はない。それをドコモがやってくれるという。

MVNOの費用にどう載せられるのかわからないが、他のMVNOに比べてサポートが手厚くなる分だけ需要を救い上げられそうだ。これに対抗できるのは、今のところイオンモバイルくらいしかない。

ドコモと提携するMVNO

まず、フリービットが提供するToneモバイルとNTTコミュニケーションズのOCNモバイルONEが提携する。
OCNモバイルONEは前から噂があったので、いつ開始するだろうと思っていた。しかしToneモバイルは意表を突かれた。

Toneモバイルは月額1,000円程度、OCNモバイルONEは500円程度のプランを用意するようだ。
これにより、povo、LINEMO、楽天モバイルに対抗するラインナップになる。

感想

提携するMVNOは今後も増えていくようだが、Toneモバイルのようにかつては脚光を浴びたがこの春以降は全く名前を聞かなくなったMVNOが選ばれたことに驚いた。
その裏にはディスカウントの約束があるのだろう。ドコモとしては選択肢を増やしたいことが目的なので、MVNOが儲かる経営ができるかどうかは二の次だ。
一方でドコモのショップとdポイントというエコシステムにはいれるとなると、経営が厳しいMVNO側は参加したくてしょうがないだろう。現在も多数のMVNO事業者があるが、その多くは春のMVNOによる低価格20GB料金プランの登場でユーザ減に苦しんでいるはずだ。

これを見て、au,ソフトバンクも同様の対応を始めるかもしれない。auには基本料金0円のpovo2.0都MVNOではBIGLOBEとJCOMがある。一方でソフトバンクには3GBプランのLINEMOがある。MVNOは新規募集を停止したLINEモバイルしかない。
順当にいけば、povo、LINEMOの店頭サポート開始、だろうか。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

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