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ニュースで読んでひどい話と思った。
IT業界に関するニュースのまとめはこちら。
たまたま読んでいたNewsweekに掲載されている。本記事はNewsweekの記事を参考に書いている。
長い記事だがITにかかわる人はすべて読んで欲しい。
まとめるとこうなる。
まとめたことだけ読んでもひどいと思える。
ホライズンを使うまで、ノートで会計をしていた時は会計が合わないという事はなかった。しかしホライズンを使い始めたら支払い口座の不足が頻発するようになったという。
支払い口座の不足はつまり横領を意味する。
訴追された準郵便局長は司法取引を持ち掛けられ、不足分を補填するように求められた。
その際にホライズンのことは口外しないという条件であったという。
司法取引という日本にはない制度のためなじみが薄いが、要は罪を認めて情報を提供する代わりに罪を軽くする制度だ。
司法が横領を指摘し、身に覚えがないことであっても認めない限り準郵便局長を続けられない。
準郵便局長を続けられないという事は生活する収入を無くすことになる。だから冤罪でありながら罪を認めてしまい、補填することになる。
日本における痴漢冤罪と似たにおいがする。会社に通報されたくない、早く取り調べから解放されたい、という欲求から認めてしまうという動機と類似している。
司法側にはホライズンは正しい、システムが誤るはずがないという先入観があり、そのためにミスリードしたと思われる。不正会計に手を染める準郵便局長が皆無とは思わないが、累計3500人もいるなんて普通なのだろうか。
UKの人はそんなに不正に手を染めやすい人だろうか。UK自身が自国の住民を信じていないように思える。
そして一番の問題はホライズンとそれを作った富士通だ。
記事から引用する。
裁判官は「ホライゾンは最初の10年間は完璧には程遠く、バグ、エラー、欠陥が含まれており、その後も問題を抱えていた。富士通の従業員が裁判所に提出したホライゾンのバグやエラー、欠陥に関する証拠の信憑性に重大な懸念がある」として裁判資料を検察当局に送付した。
「富士通はこれら無数の問題を適切かつ完全に調査したようには見えない。富士通はそのような事故を正しく分類していなかった。そのため、ソフトウェアに問題があったとの結論から遠のいたようにうかがえる」と裁判官は富士通の責任を厳しく指弾した
これに対して富士通はこう反論している。
これまで富士通は一貫して「裁判におけるすべての決定はポストオフィスによって行われた。証人の選択、証拠の性質、関連文書など、事件のあらゆる側面を決定したのはポストオフィスだった」と主張してきた。
システムの完璧さを証明する方法はない。しかしこの富士通の反論は、原因がわかっていて隠しているともとれるいい方だ。
一度は有罪にされ、人によっては投獄された準郵便局長が記事のインタビューでこう回答している。
富士通の技術者はシステムの欠陥を知っているべきだった。ポストオフィスはホライゾンを世間の目に触れさせないようにしていた。富士通はもちろん技術者にも大きな問題がある。当時、私は携帯電話も満足に使えなかった。元準郵便局長も知識が足りなかった。技術者はもっと優秀であるべきだった」
耳が痛い話である。
ソフトウェアを作ったりシステムを提供する側からすれば、使う人が便利で幸福になることを願いこそすれ、投獄されるようなことを招くものを作りたくはない。
しかしソフトウェアは常に完璧なものではない。人の人生を狂わすような不具合があるのであれば即座に修正して謝罪すべきである。
上記コメントを寄せた人は富士通に対してこう言っている。
「もし彼らに責任があり、何が起きているかを知りながら何も言わなかったとしたら、私たちが味わった思いを彼らも感じなければならない。刑務所は非常に辛い場所だ。しかし私は刑務所に入るかもしれない立場に置かれていた。刑務所に入るにしても経済的な損失にしても、彼らはこの件について責任を負わなければならない」
富士通は何も責任を感じていないのであろうか、確認したい。
2024年になってUKで動きがあった。続報はこちら。
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