スポンサーリンク
昨年のブロードコムによるVMware買収から、VMwareについてはいい話を聞かない。
脱VMwareでNutanixに行くとか、他の仮想化基盤を探すとか。あるいはそれまでは高くて敬遠されていたマイクロソフトのHyper-Vを使うとか。
とにかく、ブロードコムによるVMwareの方針変更により、世界中のITベンダが混乱している。
混乱の原因になったブロードコムの方針について、日本の公正取引委員会が立ち入り調査を行ったと、報道された。
IT業界に関するニュースのまとめはこちら。
昨年にブロードコムが買収してリストラ、永久ライセンスの廃止と立て続けに行っているVMware。
以前は秋のイベントをよく見に行ったが、コロナ禍でオンラインになり、去年からの動きを見ているともう行く価値がないように思っている。
ライセンス価格が高すぎて、VMwareの仮想化基盤でシステムを作ってもお客様に提案できないようだ。
そんな中では新しい技術の話も出てこないだろう。そう思って今後は不参加と考えている。
そもそもなんでこういう状態になったのか?
VMwareはもとはストレージベンダのEMCの子会社だった。その前は知らない。その当時のCEOは今や苦境に立たされているインテルCEOのパット氏だ。
EMCがPCベンダのDELLと合併し、DELL EMCとなった。その時はまだVMwareは子会社のままだったが、その後DELL EMCから独立する。
それなのに、VMwareの株はブロードコムが買い集め、ブロードコムの子会社になった。再び親会社の意向を聞かねばならない立場になった。
その結果が、上に書いたものだ。サブスクリプション制のライセンスに切り替わり、顧客に大きな負担を強いることになった。
公正取引委員会がブロードコムに立ち入り調査を行ったそうだ。
サーバーの「仮想化」の技術で、世界有数のシェアを持つアメリカの大手半導体メーカーの日本法人が、日本の企業に対し、本来必要のないソフトウエアのライセンスを不当に抱き合わせて販売する契約に、一方的に変更したなどとして、公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を行ったことが、関係者への取材でわかりました。
ことし1月から3月にかけて、クラウド事業を手がける日本の主要企業に対し、本来必要のないソフトウエアのライセンスも不当に抱き合わせて販売するなど、一方的な取り引きの変更を行ったということです。
確かにその通り。
関係者によりますと、こうした取り引きは、独占禁止法が禁じる
▽不当な抱き合わせ販売や
▽拘束条件付きの取り引き
▽優越的な地位の乱用
にあたる疑いがあるということです。
ブロードコムの強引な変更にずっと違和感があったのだが、その正体はこれだった。抱き合わせ商法、優越的な地位の濫用。故小野2点が間違いなく該当する。
ライセンス変更に合意できない場合は、使わなくていいという高圧的な立場を利用した、サブスクリプション性による集金。
このやり方が違法と判断されれば、元の永久ライセンスに戻るのかな?
いや、そんなことはしないだろう。違反すれすれの落としどころを考えて、サブスクリプション制は維持するだろう。
こんなことができるのも下の説明でよくわかると思う。
民間の調査会社によりますと、「VMware」は、サーバーの仮想化技術で、世界でおよそ8割のシェアを占め、いったん導入すると、ほかのサービスにかえるにはシステムを再構築する必要があるため、事実上、ほかの企業への変更が難しいと指摘されています。
会社のメールボックスにやってくるDMを見ていると、脱VMwareという言葉が春先から見えるようになった。サブスクリプション制の全貌が見えた時に、これはまずい、と敏感な人が動いた結果だろう。
自分も調べたことがあるのだが、上の引用にあるように、VMwareのライバル製品と呼べるようなレベルのものがない。なんらかの欠点があり、総合的にはVMわれ製品を選んできた歴史の結果が今のシェアだ。
もしも今、VMware製品と互換性が高い仮想化基盤製品が出てきたら、世界中のITベンダは両手をあげて雪崩を打って移行するだろう。
残念だがそういう製品は現時点ではない。
ない中で選ぶとしたら、以下のものになるだろう。
このようにどれも一長一短がある。この点の欠点は目をつぶり、この長所を生かそうと決断できなければ移行プロジェクトは始まらないだろう。
USでも日本同様に政府が調査に入るようなことがあれば、ブロードコムの方針が変わると思う。しかしそういう話を聞かない。
USはもうすでにVMwareはオワコンなのだろうか?そこまでは把握していないので、この先どうなるかが見えてこない。
会社の方は上の選択肢から選んでいくしかないのだろうな。難しい選択だ。
PR