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東芝から分離したNAND大手のキオクシアが、競合のWDと合併する交渉をしているとニュースが出た。
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日経電子版によれば、キオクシアに対してWDが2.2兆円規模の買収交渉をしているという。
早ければ9月中旬に合意する可能性がある。
USの原発会社により経営が悪化した東芝が、虎の子のNAND事業を分社し、その譲渡益で経営を回復したことは記憶に新しい。
キオクシア自身は昨年度に上場を予定していたが、NAND価格の下落により企業価値が下がっていることを嫌って、上場を延期した。1年ほど前の話だ。予定ではこの10月に再度上場の申請をすると噂が出ている。
NAND事業は数をどれだけ出せるかという製造業でもコントロールが難しい業種だそうで、売れるときに主力の製品がないと他社に需要が流れてしまう。
そのためにあらかじめ予測をして、この時期には何Gbitの製品を量産できるようにする、と研究開発だけでな向上にも投資が必要だ。
その工場への投資がかなり巨額になるため、キオクシアは東芝時代から競合とパートナとなり、主力工場である四日市と新たに作った岩手工場に対して共同で投資して工場を建てている。
そのパートナーはSDカードやSSDでおなじみのサンディスクだ。
サンディスクは数年前にWDに買収されている。
WDは諸兄ならご存じだろう。いまや3社しかないHDDを作るベンダのうちの1社だ。
サンディスク買収前は、ストレージ製品としてHDDもSSDも作っているのは東芝だけだったので今後は有利になるのかなと思った時期もあった。
しかしWDはサンディスクを買収し、シーゲートはどうしたか詳細を知らないが、今はSSDも販売している。
東芝は結局SSDのもとになるNANDビジネスを売却してしまったので、東芝だけがHDDしか供給できない会社となった。
キオクシアは最近はビジネスを広げるために、SSD用のコントローラを作る会社を買収して自社ブランドのSSDを販売するようになった。しかしHDDは扱っていないしSSDもブランドの認知度の点でいまいちだ。
今後HDDが先細りSSDがさらに広がっていくと思われる。
その予測の中でWD自身もHDDという屋台骨がなくなる日が来ると予測し、NANDの確保に動いたのであろうか。
意思決定は買収により早くなるように思えるが、問題は各国の独占禁止法上の許可を得られるかと日本政府がコアなビジネスを外資に売り渡してよいと判断するかというところだろう。
キオクシア成立時も同様の話があり、結局ファンドが買収している。ファンドの構成は半分が外資であり、かろうじて海外流出を食い止めたというていだ。
今年最大のIPOともいわれていたキオクシアが買収により消えてしまうのかもしれない。金乳業界には影響がありそうだ。
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