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楽天グループが2022年度3Q決算を発表 楽天モバイルを継続するメリットは何?

 

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楽天グループが2022年度3Q決算を発表 楽天モバイルを継続するメリットは何?

楽天グループが2022年度の3Q決算を発表した。その中でモバイル事業について触れているので紹介する。
楽天モバイルについてのまとめはこちら。

3Q決算の概要

3Q決算を三木谷CEOが説明した資料はここで閲覧できる。
今回はこの資料を抜粋して書いている。

まず、楽天グループ全体の決算をまとめるとこのシートになる。

楽天 2022年度3Q 決算

楽天 2022年度3Q 決算 出典:楽天以下同じ

連結の売上は4,711億円で前年同期比で+15.8%、IFRSでの営業利益は-900億円で、前年同期から-825億円の悪化。
国内ECは前年同期比+13.3%と好調だった。
しかし営業利益の悪化は主に楽天モバイルに原因があるといえる。

グローバル流通総額は前年同期比で+25.7%の8.4兆円。この金額には国内のEC流通、クレジットカード、ポイントカード、などが含まれる。

楽天 2022年度3Q 決算

楽天 2022年度3Q 決算

国内のEC流通総額は1兆3,499億円で、前年同期比+13.1%になっている。

楽天 2022年度3Q 決算

楽天 2022年度3Q 決算

気になる楽天のユーザ数は3,800万を超え、前年同期比で+11.0%。このユーザ数はその月に1ポイントでも付与があったユーザ数とのことなので、楽天市場で購入する、あるいは楽天モバイルを利用するなど、何らかの楽天のサービスを使っているユーザといえる。

楽天 2022年度3Q 決算

楽天 2022年度3Q 決算

全体的に楽天のビジネスは好調のようだ。

楽天モバイルの状況

では楽天モバイルの状況はどうだろうか。

5月に発表された、1GB未満のデータ消費のユーザを0円にしてきた優遇が終わり、7月から有料のプランのみになった。
このため大量のユーザが流出したといわれており、他のMNO,MVNOではMNP転入業務が一時パンクしていた。

7月以降は有料ユーザしかいない状況で迎えた初の決算になる今回、売り上げ収益は予想通り上がり、前年同期比で+62.5%の892億円だ。
一方で営業収益は1兆2087億円の赤字で、前年同期から156億円の悪化。しかし無料ユーザがいた2Qからは5.9億円の改善をしている。
なお、ここで示されている数字は楽天が定義するモバイルセグメントの分野であって、楽天モバイルだけではない。
モバイルセグメントにはMNO事業だけでなく、MVNO事業、エネルギー事業(おそらく楽天でんきと思われる)、コンテンツ事業も含まれている。

気になる今後のモバイル事業だが、それは事業構造によって決まってくる。
下図はコスト構造を示している。楽天シンフォニーにより完全仮想化ネットワークを使用する楽天のMNOサービスは、他社に比べて安価なハードウェアの利用と仮想化による運用のしやすさを実現する。これらにより、CAPEXが他社比30減、OPEXが25%減と考えられている。
コストを圧縮することで思い切った価格のプラン設定が可能になる。1GB未満のユーザは0円というのはこのコスト構造に裏付けられていたと思っていたが、そうではなかったようだ。

楽天 2022年度3Q 決算

楽天 2022年度3Q 決算

楽天モバイルのこれからと継続の決断

ユーザ数は減ったものの単価は上がったので、モバイル事業の収益改善は成功に向かったようだ。
これができたのはデータ通信量の上限なし定額であることと、11月からさらにテコ入れされて始まった楽天ポイントとの連携だろう。

5月の0円終了の際にユーザの意見は2分化されていた。タダだから契約していた、有料になるなら解約する、というものと、20GB以上使っても定額なので助かる、だから使い続ける、と。
前者のユーザはMNPで転出し、今はほぼ残っていないだろう。自分のようにもとは0円だから契約していたが、楽天ポイントをたくさん付与してもらえるということなので、楽天モバイルの解約をやめてほかのMVNOを解約することにした人もいるかもしれない。
無料だから、夏のauの障害の時のようにもしもの時に持っていると使えるという考えもあったが、対価が支払われないサービスなど続くはずがない。
1,078円で月3GBのデータ量が安いとは思っていないが、得られるポイントを考えると楽天モバイルを継続したほうが良いと判断した。

補足:楽天を使う人は本当にお得か

楽天モバイルは3段階の段階定額制だ。楽天モバイルの月額使用料を全額ポイントで支払うとした場合、年間いくら使えば楽天モバイルを継続するメリットがあるか考えた。

まずは月額料金。

データ量 月額料金
3GBまで 1,078円
20GBまで 2,178円
20GB超 3,278円

楽天モバイルを使うことで得られるポイントは、11月からSPUが変更になって下記のようになっている。

  • ダイヤモンド会員;:           +3倍
  • ダイヤモンド会員以外:          +2倍
  • スーパーホーダイ・組み合わせプラン契約: +1倍

自分はダイヤモンド会員なので、+3倍になる。楽天は通常EC市場での購入に対して1%のポイント付与をするので、3%が楽天モバイルを使うことで得られるのは3%のポイントだ。先の表に追加してみよう。必要金額の列だけ楽天市場で購入すると、そのデータ量の月額料金を楽天モバイルのユーザであることによるポイント優遇で賄うことができる。

データ量 月額料金 必要金額 SPU8倍の
必要金額
3GBまで 1,078円 35,933円 11,978円
20GBまで 2,178円 72,600円 24,200円
20GB超 3,278円 109,267円 36,422円

例えば、3GB未満の月額料金を楽天市場の購入によるポイントで賄う、つまり1,078ポイントを3%の優遇で得ようとしたら、毎月35,933円以上使う必要がある。
1,000円程度の月額料金のために3万円以上も楽天市場で何か買い続けるというのもどうだろうか。

ポイントはこのほかに楽天カードの契約などでさらに得られるので、例えばポイント獲得の半分くらいを楽天モバイルの月額料金に充当してよければ敷居は下がる。
上表の右端の列にある、SPU8倍の必要金額欄がそれだ。例えばSPU8倍ならポイントは9%になる。これを仮に全部月額料金に充てるとしたら楽天市場で購入する金額を示している。
楽天市場で1万円以上使うダイヤモンドランクのユーザなら、月12,000円程度の購入で楽天モバイル月額料金を賄える。これなら継続的に買うものがありそうだ。
お買い物マラソンやスーパーSALE、楽天カード5のつく日のポイントアップによって、さらにポイントは得られる。
年末にかけてはふるさと納税でいろいろ買いこみたいところだ。

以上から自分は楽天モバイルを継続することにして、他のMVNOを整理することにした。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

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