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故障率の高いHDDはどれ? 安定した高性能HDDを求める旅21Q3

 

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故障率の高いHDDはどれ? 安定した高性能HDDを求める旅21Q3
 

HDDの故障率を紹介する海外事業者の恒例の記事の紹介。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。

このストレージの記事もチェック!
  

2021年Q2の情報

前回の記事はこちら。

恒例のUSのBackBlaze社の公表データのご紹介。

今回は2021年Q3(7-9月)の状況。

backblaze 21Q3

backblaze 21Q3  出典:BackBlaze社 WEBページ 以下同じ

レポートの概要

BackBlaze社はクラウドストレージなどのサービスを提供するUSの会社だ。同社は9月末時点で4つのデータセンタで194,749台のストレージを利用している。うち、3,537台のOSブートドライブと191,212台のデータドライブだ。

OSブートドライブの内訳は、1,557台のHDDと1,980台のSSDだ。こちらは前回同様にHDDが減り、SSDが増えている。サーバ更新の際にSSDに換えているのだろう。

このレポートではデータ用の190,826台について書かれているが、テスト用途の386台と60台に満たない種類のストレージは外されている。統計データとして扱うにはまっとうな手法だ。このため、190,826台がレポートの対象になっている。

HDDの故障率の傾向

まず、今も大容量ストレージの主力であるHDDについて。年々大容量化が進み、今回も16TBを使っている。東芝のMG08ACA16TEY、WDのWUH721816ALE6L0だ。シーゲートがなぜか消えている。

backblaze 21Q3

backblaze 21Q3

ドライブのエラーが全くなかったのは、HGST 12TB drive (model: HUH721212ALE600) だ。これ以外は少なからずエラーが出ている。
それ以外に素晴らしい稼働を提供してくれたものは下記。

  • HGST 12TB (HUH728080ALE600)
  • Seagate 6TB (ST6000DX000)
  • Toshiba 4TB (MD04ABA400V)
  • Toshiba 14TB (MG07ACA14TEY)
  • WDC 16TB (WUH721816ALE6L0)

この中でもシーゲートの6TBと東芝の4TBは故障が少なく長期間稼動していて素晴らしい。

入れ替えるドライブ

当初からエラーレートが高かったため、シーゲートの12TB( ST12000NM0007)を交換していき、Q4で全数を撤去するそうだ。これはシーゲートとの協業の結果のようだ。

さらにシーゲートの14TB(ST14000NM0138)はデルのストレージサーバにはいっているが、高いエラーレートになっている。シーゲートとデルと協力して解析しているとのこと。

SSDとHDD

前回の記事にもあったが、Back Blaze社はSSDとHDDの故障率は大差ないと考えているようだ。
まだしばらく故障率を観察していく必要があるが、グラフを見る限りはあながち外れていないと思う。

backblaze 21Q3

backblaze 21Q3

HDDのライフタイム

下図でBack Blaze社のHDDの状況を示している。

backblaze 21Q3

backblaze 21Q3

1%以下が多いが時折2%、4%を越えたものがある。これらが問題として顕在化しているのであろう。

backblaze 21Q3

backblaze 21Q3

この表は2013年以降のドライブ容量で低いAFRを示している。AFR,年間平均故障率は2013年以来最低になっているが、高いものでもシーゲートの10TBの1.21%だ。100台あって年間で1台前後しか故障が発生しない。
なかなか素晴らしい品質といえる。

今後はどうなるの

時折品質の悪いHDDが現れるのは、新しい技術を投入したタイミングと思う。
HAMRなど入ってくるタイミングで最初の数世代は品質が悪くなる。それは仕方ないだろう。
技術がこなれてきたところで購入すると幸せなストレージになれそうだ。

そろそろ個人ユースも10TB超のHDDが必要になるのかな。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

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