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総務省の競争ルールの検証に関するWGにて、回線契約のない客への端末販売拒否の調査が行われて報告された。
MVNO、MNOについてのニュースのまとめはこちら。
以前から回線契約のない客への端末販売が拒否されているという話しがネット上にあった。ちなみに2019年10月の法令改正で回線契約と端末販売が分離された結果、端末購入には回線契約は必須ではなくなった、はずだった。
ところが、実際には回線を持たない新規客への販売は、回線契約と同時でなければしてもらえないと、総務省の覆面調査で分かっている。その割合は10%~30%におよぶ。
回線契約なしで売ってくれる店のほうが多いのだが、100%でなければ納得しないのは総務省だ。
改めてMNOに調査指示を行い、MNOからの回答結果が公表された。
MNO3社からの回答は回線契約のない客への販売拒否はそんなに多いわけではなく、せいぜい3%だった。販売拒否の理由は「指導が徹底されていない」という事だった。
資料には販売拒否した際の店員の理由説明があった。
分類するとこんな感じか。
元々端末を安く売れたのは月額の回線費用を上積みして、それを原資として安く買えるように還元していた経緯がある。こうなったのはやはり端末が小さいわりに高いからだ。この長年の既成事実を壊して、できないようにした途端に端末買い換えの需要がなくなった。当然だろう。
端末を安く買えるというメリットがあるから回線契約をしてきている。安くならないならキャリアの店で買う必要は全くない。何年も前からSIMフリー端末が出ていてもおかしくなかっただろう。
今回の様に回線契約なしでキャリアショップで端末を買うという行為は、購入サポートプログラムがあって、例えば4年分割を設定して2年間だけ分割払いをして2年後に端末を回収されて新たな端末を買う事ができるプログラムだ。auならアップグレードプログラムEXなどが当たる。普通の店で購入する場合はこんなサービスがないので買いたいと思うユーザもいるだろう。でもこのサービスはMNOが回線契約したユーザのために作ったサービスなので、回線契約のないユーザには提供したくないはずだ。普通に考えて、2年後の中古価格よりも高い金額で引き取ることになるのだろうから。
だから「会社の方針」「システム未対応」「権限がない」というような回答で販売拒否をするのだろう。この状況は決して良くない。
MNOとユーザのやりたいことが矛盾している中で、政府が横やりを入れてきている。この状況はまだまだ混迷しそうだ。
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