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台湾を代表する半導体産業が日本に上陸する。
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日経によると、台湾の半導体受託生産会社であるTSMCは日本に新工場を建設することを発表した。
2022年に工場建設を開始し、2024年から量産を開始する。
新工場にはソニーとデンソーが参画するという。
引用する。
魏哲家・最高経営責任者(CEO)は「当社の顧客、および日本政府の双方から、このプロジェクトを支援するという強いコミットメントを得た」と話した。生産するのは回路線幅が22~28ナノメートルの演算用(ロジック)半導体だ。一般的に画像などデータ量の多い信号処理や、車の制御などに使う高性能のマイコンなどに用いられる。
つまり、最新の7nm、5nmという微細な世代ではなく、数世代前の技術を使って、需要が多い画像処理、車の制御用の半導体を生産するようだ。
昨今は半導体不足によりスマートフォンを予定量生産できないとか、車の生産ができないという話が多い。
アップルウォッチ7も半導体不足によって9月に販売できなかったとも聞く。
日本の国内メーカも半導体確保に手を焼いており、政府の補助金もあってTSMCが重い腰を上げたようだ。
前述のように、半導体不足でメーカが右往左往している。このためどの国も半導体確保に動いているようだ。
しかししばらく前に見たニュースではこういう趣旨のことが書かれていた。
足りないといわれている半導体の多くは、最新の微細化技術のものではなく数世代前のもの
数世代前の半導体は新規投資の対象にならない。すでにある設備で回収していくフェーズだからだ
このため新規に工場ができないので、いつまでたっても供給は増えない
新規投資により工場が増えない限りは供給量の増加は限定的だ。これを抜本的に解決するために税金を投入して新工場を建てることにしたのだろう。
外国の企業に対して税金が投入されることに是非はあると思うが、国内メーカで手を上げるところがなかったのだろう。
というよりは、この手の半導体を作るメーカは今やルネサスくらいか。
そのルネサスも春には工場火災で痛手を負っている。
政府が外国企業に泣きついて、工場を建ててもらった、というところだろうか。
半導体がなければ完成品は作れない。この1年でPC、ディスプレイ、HDD、スマートフォン、スマートウォッチ、車と様々な製品が販売延期を余儀なくされている。
日本で作られる製品のうち、海外で売っていけるものは昔と異なってかなり少なくなった。その少なくなった製品を大事に保護していくしかない。今、車が作れなくなったら、日本の製造業は絶滅に近い状態になってしまう。
次の産業育成が必要な時期はとっくに過ぎているが、いまだ見えてこない。過去の栄光にすがって生きていくしかない日本でしかないのだろうか。
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