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WDから18TB HDDの販売開始

 

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WDから18TB HDDの販売開始

HDD御三家のWDからエンタープライズ向けのHDDが発売された。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。

発表の内容

WDのプレスリリースによると、16TB、18TBのHDDを発売開始した。
Ultrastar DC HC550 CMR HDDの大容量モデルだ。WD Goldシリーズに属し、5年保証、MTBF250万時間を謳う。

WD 18TB

WD 18TB

出典:WD Webサイト

今回発表されているHDDは下記の技術を使って作られたそうだ。

  • エネルギーアシスト磁気記録(EAMR)技術
    他社では熱アシスト技術を使っているケースもある。HDDの磁性体に熱などのエネルギーを
    注入することで、狭いエリアの磁性体の極性を制御する。
    これを使わない場合はそれなりの面積を必要としていたので、高密度化に必要な技術として
    長年研究され、やっと実用化された。
  • トリプルステージ・アクチュエータ(TSA)技術
    読んで字のごとく3ステージあるアクチュエータ、すなわち電気信号を動力に変えるサーボモータ。
    3ステージあることのメリットは不勉強でわからないが、今まではなかったのだろう。
  • HelioSeal技術
    以前からある、ヘリウムを封入する技術。ヘリウムは空気より抵抗が少ないので、
    空気抵抗を考慮した設計からさらに進めて、ヘリウムの抵抗を元に設計できる。
    これにより回転数を上げないまでも、ディスク間隔を狭くでき、ディスク枚数を稼ぐ技術
    としてHDD御三家でつかわれている。

今回の16TB、18TBモデルはともにCMRモデルだ。CMRでないものはSMRで、
その差はランダムアクセス性能だ。CMRは従来技術をもとにランダムアクセスも可能。
SMRは新しい技術で容量アップを目指しているが、ランダムアクセスによる
書き込みに適さない問題がある。このためDM-SMRという技術でCMR相当の
インタフェースを各社で提供している。

このDM-SMRはRAID構成では問題がある。詳細は下記参照。

18TBの容量でできること

我が家のNAS4Freeは10台のHDDで構成している。5台の3TBで構成するRAID5相当の
RAID-Zと5台の4台で構成するRAID-Zだ。ともに1台はパリティに使われるので、2.7TBx4+3.7TBx4=10.8TB+14.8TB=25.6TBだ。

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18TBのHDDがあれば、RAID1構成なら36TBの容量を4台で構築できる。
台数が減ることで、追加したSATAインタフェースを使うことなく作れる。
ただし、容量が大きければsyncする時間がかかる。3TBで1日かかる場合、6倍の容量なら1週間弱だ。

以前からHDDの大容量化と、故障時のRAID再構築の同期時間に悩んでいる。
RAID再構築(sync)中に他のドライブが壊れたらRAID崩壊だ。データはもう戻らない。
このためRAID5、RAID-ZではなくRAID6、RAID-Z2を選択すべきだ。
この場合、18TBをRAID6で構成するとしたら例えば4D2P(データ4台、パリティ2台)と
すると6台で72TBとなる。
個人の用途ではまだこのレベルまで必要ないし、1台8万円としたらとても払える金額ではない。
まだまだ待つ必要がありそうだ。

WDの今後の展開

プレスリリースでは、20TBのSMRドライブを来四半期、つまり10-12月期にリリース予定だ。
今後も大容量化はつづく。RAID構成をどうするか考えていかないといけない。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

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