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【CentOS後継】CentOS後継に名乗り出るAlmaLinux そしてRHELも提供形態を一部変更

 

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【CentOS後継】CentOS後継に名乗り出るAlmaLinux そしてRHELも提供形態を一部変更
 

CentOSの終了によりその後どうするかを関係者が気に病んでいるが、
RockyLinux以外にも名乗りあげるディストリビューションが出てきた。
ソフトウェアのまとめはこちら。

連載記事はこちら
  

この記事のポイント

  • CentOSの後継にAlma Linuxが名乗り出た
  • 2月にベータ版が提供され、着実に進んでいる印象
  • 一方で本家RedHatのRHELは無償提供プログラムを追加

 

Alma Linuxの登場

先日書いたようにCentOSの後継に名乗り出たRockyLinux。

他のベンダからも後継を名乗り出てきた。CloudLinuxを提供するCloudLinuxが発表している。

CloudLinux

cloudlinux 出典:CloudLinux WEBページ

CloudLinuxはRHELをベースにしてサポートを提供している会社のようだが、CentOS終了のアナウンスを聞いて
CloudLinuxとは別にCentOSの役割を担う後継OSの開発に乗り出した。

上記アナウンスにはこのように書かれている。

As we already maintain CloudLinux OS, we plan to release a free, open-sourced, community-driven, 1:1 binary compatible fork of RHEL® 8 (and future releases) in the Q1 of 2021.

意訳すると、RHEL8と将来のバージョンに1:1でバイナリコンパチのオープンソースでコミュニティ主導の
フリー(無料)OSを2021年第1四半期に提供する、とのこと。

またアナウンスにはCentOS8のサポートは2021年で終わるけど、CloudLinuxは2029年まで継続すると
宣言している。そして今CentOS8を使う人に対しては、

If you are running CentOS 8 – we will release an OS very similar to CentOS 8 based on RHEL 8 stable. We will provide stable and well-tested updates until 2029 – completely free. You will be able to convert from CentOS 8 at any moment by running a single command that switches repositories & keys.

今CentOS8を使っているのなら、我々はCentOS8に似たRHEL8安定板ベースのOSを提供する。
2029年まで安定して十分テストしたOSを提供する。そしてそれは完全に無料だ。
簡単なコマンド1つの実行で、CentOS8からいつでもレポジトリとキー情報を変更することが
できるようになる。

そしてそのOSがAlmaLinuxだ。

AlmaLinux

AlmaLinux 出典:AlmaLinux WEBページ

Alma Linuxの予告

上記WEBページに書かれているが、AlmaLinuxはRHELをフォークした新しいディストリビューションだ。

そのメリットは一言でいえば、CentOSの役割を果たすといえるだろう。なおかつCentOSからの乗り換えは
ソフトウェアの変更なしで最小限の投資で実施できる。上記の通り1コマンドの実行だけだ。
その際はダウンタイムなしとのこと。どうやっているのかわからないが、パッケージの置き換えは
OSカーネルを含めて一切ないという事なのだろう。

実際にこれらがどこまで実現できるのかは興味がある。2029年までのサポートの約束についても
CentOSが破ったばかりなのでどこまで守られるか?という点で疑問が付く。

しかし感じたのは、大手ベンダのサポート打ち切りでCentOSが終息するとなっても、すぐにこうして
有志が集い、バックアップするベンダが現れて、後継OSがすぐにいくつも候補が出てきたのは好ましいことだ。
ここで、大きなベンダが推す特定ユーザ向けのOSしか出てこなければ、オープンソースの文化は終わったと
言えただろう。そうならなかったのはいいことだ。

一方で懸念なのはすでにRockyLinuxが後継候補に名乗り出ており、それと競合することでいくつかの分派が
併存する状況が考えられる。そうなると互換性問題がでてくる。CentOSという業界のデファクト
スタンダードがあって栄えたものが、Linux黎明期のようなディストリビューション乱立期に
逆戻りになる。そういう懸念がある。

なお、2月になって早速ベータ版が公開された。

一方で本家の逆襲

CentOSはRHEL、すなわちRed Hat Enterprise LinuxのクローンOSだが、そのRHELの開発元である
Red Hat社がCentOSのサポート体制を変えたことで今回の混乱が発生している。
そのRed Hat社からちょっとしたニュースが出ている。

RHEL

RHEL 出典:Red Hat WEBページ

いわく、有償のRHELについて、新しく2つの無償プログラム(No-cost RHEL)を開始する。

  • ITベンダ向け開発チーム
    Red Hat Developer programに従って従来は1台の機器での開発は無償で利用することができたが、
    これは現在ではかなり難しいハードルになっている。これが16台までのシステムで無償利用
    できるようになる。ただしサポートはない。システム、の定義が物理サーバなのか、仮想サーバなのかが
    不明ではある。おそらく後者だろう。なお、AWSなどのクラウドでの利用ではOS使用料は上記条件で無料になる。OSを動かす仮想マシンの料金は
    クラウド事業者に応じて負担が必要。発表では2月1日より可能になっているはず。
  • 顧客サイドの開発チーム
    さらにITベンダの開発チームだけでなく、顧客サイドの開発チームもDeveloper programに参加できるようになった。明記されていないが、利用上限台数は上記と同じであろう。

これらの対応だけではCentOSの用途すべてにこたえられないのはRedHatも理解しており、
2月中旬にさらなる提供を考えているそうだ。

Red Hat社の発表を見る限り、通常良くある「開発は費用がないのでCentOSで、本番機はサポートの
あるRHELで」
というケースは対応できそうだが、「開発も本番もCentOSで」というケースにこたえられない。
Red Hat社もサポートが利益の源泉である以上はそこを手放してしまうわけにいかないだろう。

コミュニティの反感を買った発表から1か月超。この先RedHat社がどうなだめていくのか興味があるが、
一度された仕打ちをコミュニティの人は忘れないだろう。
CentOSの廃止という決断が後に凋落のトリガを引いた、とならなければいいが。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

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