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AWSという名前はまだなじみが薄いかもしれない。
Amazon Web Service、通販大手のamazonが作り上げたクラウドシステムを
外販しているそのサービス名であり、クラウドでは業界1位だ。
そのAWSでまた障害が発生し、いろいろと問題がわかってきた。
IT業界に関するニュースのまとめはこちら。
クラウドサービスだから障害がない、なんてことはない。構成する機器は普通のハードウェアだし、
それを制御するのはふつうの人だ。ある程度自動化して人為的なミスは減ったと思うが、それでも人間が全く
介在しないサービスは存在しない。それが現在の社会だ。
車の運転の自動化が進んでいるとはいっても今はまだ高速道路の中の話で、市街地を自動運転
できるのは何年先だろう。
今回の障害は北米で11月26日に発生した。おりしもUSなど欧米はサンクスギビングデー。
そして日本では27日からamazonがセールをやるとしている時期だった。直接は関係ないが、
こういう時期はメンテナンスも控えるので、おそらく機器の老朽化による故障か、
潜在していたバグが出てきたか、そんなところだろう。
この障害により影響を受けたのはスマート家電たちだった。
スマート家電はスマホから簡単に操作できる、という売りのものが多いと思う。
この仕組みを考えると、スマホ→家電に直接指示が行くわけではない。必ず間にサーバを介している。
そのサーバは近年はどこもかしこもクラウド利用で済ませており、オンプレミス、つまり自前ハードをもって
自社のサーバルームで制御、管理する企業は少なくなっている。その理由はいろいろあるのだが、そのために
クラウドへの移行がこの数年までのトレンドだった。今はもうクラウドがふつうであって、
クラウドに移行されていないサービスは限られている。(長くなるので今回はそこには触れない)
で、クラウド=今回はAWSにサーバを借りてシステムを作ってサービス提供しているスマート家電の場合、
AWSが障害で停止することで当然だがサービス提供ができなくなる。
今回はなかったが、例えばEchoで音楽を聴くようなこともAWSがあってのことで、
AWSで障害が発生すれば音楽は流れてこない。もちろん、途中の経路であるインタネット、
プロバイダ、光回線、家庭内の無線LAN、このどれが故障になっても経路の二重化をしていない限りは
サービス利用はできないのだ。
サービス利用ができないと困るのは、普通に歌を聴くとき、だけではない。
自分はそういう経路が長いサービスに重要なことを任せることは嫌なので使っていないが、
世間の人は進んでいて、例えばEchoで目覚ましをかけるようなことをしているだろう。
今回はEchoは影響がなかったようだが、なんとスマート家電のサービスに影響があり、
時間になっても設定した機能が動かず寝坊した人が多数いたようだ。数々の悲鳴のいくつかをご紹介。
利用者は時間になると照明をつける、エアコンをつける、などで目を覚ますようだ。
確かに従来からの目覚まし時計の爆音でも起きられない人はいるので、こういう五感に訴える方法は重要だ。
最近ではカーテンを自動で開ける装置もある。
珍しもの好きな自分としてはこういう話しを聞くと買おうかと思うが、よく考えると自分は
目覚まし時計の音で起きることができるので、必要ない。面白いとは思うが、必要でないものはいらないな。
そう思って調査していなかったのだが、意外に多くの需要があって使われているようだ。
昨年AWSが障害になり、ECサイトがダウンして購入できないことがあった。
ECサイトだけなら機会損失を企業が被るだけなのだが、いよいよ生活の一部に入ってきた
AWSが全域障害になるとそのうち信号が点灯しないとか、電車が動かないというような話になってくる。
インフラをクラウドサービスが支えるようになると、1社に集中することによる弊害が見えてくる。
最近はマルチクラウドとかハイブリッドクラウドというキーワードのあるが、費用が掛かるので
なかなか難しい。ハッキングの恐れだってあるだろう。
寝坊の理由がAWS障害という、笑えない冗談が現実のものになるのはそんなに遠くなさそうだ。
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