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NANDフラッシュメモリ大手であり国内に残る数少ない半導体メーカのキオクシアが、いよいよWDとの合併に踏み切るようだ。
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合併交渉のうわさは2021年秋に流れていた。
一時停滞していたが、再開している。
そして今回、より具体的に進んでいるようだ。
関係者によると、キオクシアとWDが出資して新会社を設立し、一体となって半導体の生産や営業を手がける案などを検討している。両社はこれまでも、岩手県北上市と三重県四日市市の工場を共同で運営しているが、経営統合に踏み込む。キオクシアが主導権を握る方向で、出資比率などは検討を続ける。
現在は工場の一部のラインをキオクシアとWDで共同で運営しており、生産されたNANDをシェアしているが、より経営の効率化を図って、つまり無駄な管理コストを省いて、スケールメリットを追求するようだ。
経営統合の先には、サムソンが見えている。
英調査会社オムディアによると、スマホなどのデータ保存に使われるNAND型フラッシュメモリーの金額ベースの2022年世界シェアは、キオクシアが3位、WDは4位。統合すれば同事業の売上高は2兆5千億円規模となり、最大手の韓国サムスン電子に匹敵する。
韓国の経済は最近は安定していない。外資系の撤退が相次いでいる。これは中国との深い結びつきが関係しているが、一時離れかけていた日米陣営に戻ったとしてもすぐには元通りになりそうにない。
このため、近年は韓国や、中国の台湾有事の被害を受ける台湾から工場の移転を進める動きがある。キオクシアとWDとの統合もこの流れに乗ったものであろう。
HDDのように3社寡占の状態にNANDが進むのか?そうなるとは限らないように思える。
一方で最近のNAND価格下落によるSSDの価格下落も統合を進める理由の一つかもしれない。半導体は周期的に波があり、一定間隔で安値になる。
莫大な開発費をかけているのに原価割れになっては困る。そのためには極力管理コストを減らすしかない。
どっちにしても独禁法の承認が必要なので、すんなり進むかはまだわからない。
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