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6月末にNTTとNECが資本業務提携を発表した。
NTTがNECに645億円を出資し、4.8%の株式を取得して第3位の株主になる。
これでここ数年事業の目玉がなかったNECには資金ができて、新たな投資が可能になると同時に、
電電公社時代からの電電兄弟であるNECにとって親分で有るNTTとの結びつきが強くなった。
この資本業務提携により、両社は通信キャリアとメーカが対等に提携し、
オープンな団体をベースにして規格策定、製品開発を推進していくようだ。
NECは過去はPC98などのパソコン事業や携帯電話事業も有ったが、いまやソリューション
ベンダとして生き残っている。例えば顔認識ソリューションのように他社が
追従できないようなシステムを提供している。通信、AI、セキュリティなどは
まだまだ強い技術を持つ。
そんな中で、携帯電話事業はとうにないが携帯電話基地局をNECはまだ手掛けている。
しかし、昨今は海外勢におされており、5Gについてはファーウェイの独壇場になっていた。
昨年のファーウェイに対するUSの禁輸措置が発端となったが、特定の企業の独占市場に
なってしまうと、その製品を使ったサービス展開が読めなくなる。
NTTはそういうリスクが身に染みたのだろう。
そして国産でリスクが少ない選択肢を作ろうとしたのだろうか。それが今回の提携と思われる。
両社はNTTドコモなどが提唱するO-RAN Alliance仕様に準拠した基地局を共同開発する。
光技術、無線技術を活用して基地局装置を開発し、世界で販売できる製品にする。
その製品は高速処理、低遅延、低消費電力を目指す。
楽天モバイルが目指していることに似ているように聞こえる。
楽天モバイルは、仮想化環境で携帯電話サービスを提供していくという。
NTTとNECはオープンな団体で開発して、携帯電話基地局を開発していく。
その先には6Gの主導権争いもある。
かつてのような日本の技術が光る時代は再びないと思うが、グローバルな団体の中で
主導権を握っていけるとよいが。
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