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PC自作大好きの諸兄にはおなじみのあのベンダがCPUに参入するというニュースが出た。
CPU,SoCニュースのまとめはこちら。
nVIDIAといえばGeForce。グラボメーカでPC自作ユーザは知らない人がいないベンダだ。一昨年だったか、トヨタが提携してあのメーカは何だ?と物議をかもしたりもした。
この話以外でnVIDIAの名前を聞くことはないのでずっとグラボ専業メーカと思ってきたのだが、とうとう一方踏み出す日が来たようだ。
出典:nVIDIA WEBページ発表によれば、Graceはエネルギー効率の高いArmコアを採用し、AI用途に10倍のパフォーマンスを発揮するとのこと。ここで書かれているAI用途は具体的ではないが、「巨大なAIモデルをトレーニングするシステム」と書かれている。
ん?トレーニング?
AIって設計して終わりではなく、膨大な実データを使ってトレーニングすることで精度が上がる。ちょうど未熟な新入社員が経験を経てベテラン社員になるように。精度を上げるためのトレーニングを言っているのだろうと思う。
また最初の「エネルギー効率」とはかける電力に対する計算能力のことを言っていると思われる。近年では電気代が高騰してきているし、膨大なシステムを構築すれば必要な電力も増える。電力が増えたら冷却も増強しないといけない。頭痛の種の連鎖だ。このため、電力を抑えることが度々要求される。
CPUを手に入れることで、GPUと組み合わせたサーバ製品、あるいは構築したスパコンのサービス提供が可能になる。
GPUといっても近年はビットコインに使われていることをご存知の方も多いだろう。グラフィック用の高演算能力を転用して採掘に使われるようになったが、この技術はAI、機械学習にも転用され、今はクラウドサービスでもGPUを提供するものがある。そのくらい、本来とは異なるつかわれ方で発展してきている。
GPUだけのnVIDIAはかならずCPUベンダ、あるいはマザーボードベンダなど第3者との調整が付きまとって、最高性能を出すことが難しかったと思う。今回CPUを作る=GPUと統合することで、AI計算のボトルネックを回避できる仕組みを構築できる。3rdパーティ製品をかき集めて作ったシステムと、1社ですべてチューニングした製品ではどちらの性能が発揮されるか。アップル製品を見れば自明だろう。
このGraceによりインテルやAMDのCPUを販売する先は若干減ると思う。主にデータセンタに置かれるクラウド用途のサーバで、AI計算に使われるものだ。ただこのビジネスが成功すれば、インテルもAMDも黙っていないだろう。特にAMDにはRADEONがあるので同様の形態を作って攻勢に出ることは容易だ。
NAND事業を売却してほぼCPUだけになったインテルにとって今後をどうするか、苦しい時が続きそうだ。
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