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nVIDIAがARM買収を断念か 半導体業界再編の行方が分からなくなる

 

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nVIDIAがARM買収を断念か 半導体業界再編の行方が分からなくなる

数年前にソフトバンクが買収し、そのソフトバンクが傾いたことでnVIDIAに売られようとしていたARMの買収話が頓挫したようだ。

ARMとは

いまやスマホやタブレットのSoCのほとんどはARMが設計したコアを使用している。クアルコムのSnapdragonがその例だ。
省電力に優れつつ、性能もよいと評判になり、ARM設計以外のSoCはほとんど聞かない。
あまりに良すぎるのでPCにも採用されている。Windowsが動くSnapdragonがあるくらいだ。

で、ARMってどんな会社かというと、工場を持たず設計のみやっている会社で、設計をCPUやSoCを作る会社に提供して利用料の形で収益を上げているようだ。設計だけの会社でこれだけ注目を浴びるのは、アップルを首になってジョブスが起業したNeXT、しかもハードウェアから撤退した後の頃のNeXTくらいではないだろうか。
NeXTはソフトウェア会社だったが、ARMはハードウェアの設計という点が異なる。

nVIDIAによる買収

どういう経緯でソフトバンクがARMを買収したのか忘れたが、ソフトバンクはベンチャーキャピタルとしてファンドを設立しており、その一環で前途有望なARMを買収したのかもしれない。

買収が好調だったころはよかったが、WeWORKの件の頃からか躓き始め、ファンドの評価額が目減りしていることが知れ渡った、このためいくつかの保有株を売るようになり、その一環でARMも売ることになった。
これだけ有望な会社なので巨額が必要になる。買う側もそれなりにキャッシュを持つ必要があるが、それ以上に気を付けなければいけないことがある。
国によっては企業の買収、合併には政府の許可が必要だ。これは特にUSの例でいえば、同業同士が合併で大きくなると独占状態になり消費者にとっては価格の高騰など不利益を被ることになる。USは機会均等の国だから、そういうことはとても嫌いな案件のようで、過去にも買収ができなかった例があるし、許可されて売却できたケースもある。
記憶に残るのは、HDDメーカのWDが日立傘下だったHGST(元はIBMだったと記憶する)を買収する際に、当時4社の寡占体制が3社になるため許可が通るか懸念されていたことだ。

US以外にもヨーロッパ、中国でも許可が必要らしく、世界経済はグローバル・一体化しているので他国の中の買収であっても自国に影響があると気にするようだ。

最近の買収は売買する当事者は合意してもそこから長く当局の許可を得る期間がある。今回のARMの買収も発表は2020年9月だったが今年になるまでずっと調整、交渉が続いていたようだ。

nVIDIAによるAMRを$400億で買収する話しは、当局の許可を得られないため破談になるようだ。
半導体業界ではどちらも大きな会社だ。さらに大きくなることによる影響で、買収は許可されなかったようだ。
成立していたらクライアント端末、エッジからデータセンタ内までCPUやGPUを全て押さえるメーカになっただろうから、第2のインテルになれたのだろう。

ARMの行先

ブルームバーグの記事によれば、ソフトバンクは売却できなくなったため、今度はARMをIPO、つまり上場させるつもりらしい。IPOは時期を読むのが難しいが、いい時であれば莫大な上場益をソフトバンクにもたらすだろう。

しかし上場したARMは多数になる株主の顔色を窺って事業をしていかなければならない。
中には東芝が直面しているような物言う株主に振り回されることもあるだろう。
ARMが今までのようにいいCPUコアを作り続けられるか?その点は現時点ではわからない。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 

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