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日本が半導体の製造拠点だった話は今は昔。近年は台湾のプレゼンスが強くなっており、中でもTSMCが異彩を放つ。
TSMCから決算報告会の中で設備投資の情報修正が発表されたとのこと。
サツマイモの形に似た形の台湾がここまで半導体の拠点になると1980年代には誰も予想していなかっただろう。実際に台湾の産業といえばバナナという人は今でもいると思う。
台湾ではASUSなどのメーカがPCの受託製造をして力をつけていった。マザーボードも今やほとんどが台湾だ。それにつられて半導体メーカが成長したのだろうか。PC生産やマザーボード生産に必要な半導体を身近で調達したいという話しは理解しやすい。
2000年頃に公開された映画アルマゲドンに印象に残るシーンがある。ロシアのちょっと精神的に病んでいそうな宇宙飛行士が動かない機械をたたき出すシーンがある。
「アメリカもロシアのものもみんな台湾製だ」
そうなのだ、もう2000年頃にはPCの部品のほとんどは台湾が押さえていた。CPUやメモリ、NANDは押さえていないが、他はほとんど台湾製であろう。いつの間にか台湾はPC自作ユーザにとってなくてはならない存在になった。
台湾積体電路製造(TSMC)は台湾の半導体メーカだ。自社で設計して販売する半導体もあるかもしれないが、その存在を知られるのは受託生産だ。ほかのメーカが設計した半導体を製造してくれと依頼されて作る。それだけなのだが、半導体生産には様々な技術が必要だ。
このような技術は実は日本のメーカが作るものも多いようだが、それを大規模に展開して大量生産を短期間に実施できる。日本の大手半導体メーカができなかったそういう要求に応えられる土壌があったのでTSMCは重宝され、使われてきた。
例えばAMDのRyzenはTSMCで生産しているといわれる。アップルもそうだったかな。いわゆる製造工場を持たないファブレスメーカにとって頼れる存在だ。
昨今の仮想通貨の賑わいからPC自作では欠かせないグラボの不足、ルネサスの工場火災による生産停止、車載半導体の生産不足による自動車生産の停止など今年になってからもニュースが絶えない。
そんな中でTSMCは決算報告で設備投資をさらに増加するとした。
日経の記事によれば、21年も半導体不足はつづくとみて、300億ドルの設備投資とするそうだ。1年で投資する金額だ。どれだけの工場を建てて、設備を入れ替えるのだろう?そしてそれができるほどもうかっているという事だろうか?21年1Qの決算は利益が1,396億台湾ドルだったそうだ。
TSMCは設備投資の用途に5G、スマホやサーバに搭載する高性能半導体の増産に充てるという。コロナウィルスで経済活動が停滞しているが、ワクチンがいきわたり経済活動が再開したらさらに必要になるのかもしれない。まだ2年くらいは半導体業界の活況はつづきそうだ。自作ユーザにとってはパーツ高騰で冬の時代になりそうだ。
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