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え、なんで今頃?と思った話。
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Windows365という、マイクロソフト365と似た名前のサービスが8月から開始になる。マイクロソフトが発表した。
どんなサービスかというと、WindowsOSのデスクトップ環境を提供するサービス、つまりVDIサービスだ。
このサービスを使えばハードウェアもOSも購入する必要はない。OSのインストールも必要ない。必要になったら利用を申し込み、おそらくものの数秒で作られて利用できるようになる。ユーザはただWindowsPCがまるで目の前にあるかのように、使うことができる。
Virtual Desktop Interfaceといわれる、いわゆる仮想デスクトップ製品のことで、数社のベンダが提供している。
仕組みとしては仮想化環境にPCの仮想マシンを作り、その仮想マシンが提供するデスクトップ環境を遠隔地にいるユーザが手元のデバイスを介して見て、操作する。
サーバの仮想マシンと異なり、sshの端末コンソールだけで操作するのではないので、マウスのダブルクリックやタスクバーの通知など、あたかもデスクトップと同じ振る舞いをしなければならない。
アクセスする手元のデバイスはPCでもタブレットでもスマホでもいい。単にリモートデスクトップをすると考えればよい。専用のアプリがブラウザに代わり、ブラウザ内にWindowsのデスクトップ環境が表示されるという点だけが異なる。ブラウザではYouTubeのようにHTML5で動画再生するイメージだ。
マイクロソフトはすでにクラウドサービスのAzureでVDIサービスを提供していた。Azure Virtual Desktopだ。クラウドサービスの多くがそうであるようにこのサービスも従量制の課金なので、上限がない。
例えばサインアウトをしている間は課金されないルールであれば、それを忘れると一晩何も使っていなくても課金されてしまう。
ほかにもストレージの使用料などでも課金があるだろうから、毎月の料金が一体いくらになるか分からないのが、クラウドサービスの困った点だ。
その点を考えて、Windows365は月額固定料金といわれている。
日本では需要は未知数だが、海外ならこういう使い方ができるだろう。
転職で入社する新しい社員にPCを渡す必要があるが、在宅勤務であれば物理PCを渡す必要はなく、Windows365で作った業務用仮想PCに自宅のPCから接続してもらえばよい。
また、季節の変動で、一定の時期だけ社員を増やす必要がある場合に、そのためのPCを維持するのは非効率だ。クラウドのメリットを生かして、必要な時だけ使えるWindows365は結果的にコストを削減できそうだ。
8月開始となっているが、USだけなのかもしれない。価格は未定。
当初はWindows10のみだが、Windows11も対応するそうだ。
VDIは管理する側にとってはメリットだらけだ。手元のサーバに対してパッチ適用や更新をすればよく、設定のガバナンス管理も容易だ。
ユーザ側からするとOSもアプリも用意されて使用開始できる点はメリットが多い。しかし問題となるのはアクセススピード、帯域の太さだ。
これが細いとアクセス集中により操作の反応が悪くなり、場合によっては接続が消える。
物理PCと異なり接続が切れてもPCが落ちたわけではないので、操作中のデスクトップは再接続で続きを操作できるのだが、これが頻繁にあると仕事にならない。ユーザのクレームは結局管理側の仕事を増やすことになる。
かつての一極集中の象徴だったメインフレームはすたれ分散になった。なぜVDIの様に時代に逆行する方法がたびたび出てくるか理解に苦しむ。
個人が使うことはないだろう。あくまでも業務を意識したサービスだ。
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