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トランプ前大統領の頃から始まった、中国IT企業の世界席巻と、それを阻止したいUSのせめぎあい。
そんなせめぎあいの中である企業が軍事企業から除外された。
最初はファーウェイに対してであった。ファーウェイはCEOが軍人、あるいは軍出身者だったので
軍との関係を取りざたされて、収集した情報を中国の軍事に使われるのではないかという恐れから
ファーウェイはUSの市場から除外された。
もちろんこの話には裏があり、表向きな上記の通りだが、裏向きにはUSなど各国のIT企業が
5G関連の販売機会をファーウェイに持っていかれたため、ファーウェイをつぶしたかったと
いうところが真相だろうと思う、
実際のところ、当時はファーウェイの5G対応基地局などは圧倒的な価格で世界中に売れていた。
また当時が最盛期であったが、ファーウェイのスマホは安くて性能が良く、世界中で売れていた。
自分も他に選択肢がないので、タブレットはファーウェイを選んでいた。
そんなファーウェイをUSが世界中の仲間の国と連携して、市場から締め出した。
輸出管理対象に指定し、許可がなければUS原産の部品、ソフトウェアをファーウェイに販売
できないようにした。
このため、ファーウェイはCPUやAndroidなどのキーコンポーネントを調達できなくなり、
ついにスマホ事業の一部を売り払っている。
ほかにも各国で撤退した事業が多々あるようだ。
最近あまり話題に上らないので状況を把握できていないが、ファーウェイとともに名指しされた
ZTEは暫くして許してもらったようだ。
各MNOから出ているキッズケータイの多くはZTE製だ。部品調達も問題なくなったのだろう。
同様に諸兄になじみがあるのはシャオミだ。
シャオミに対しては2021年1月にUSの国防総省(DoD)が軍事企業に指定しており、それ以降は
US国民がシャオミに投資することなど経済活動に制約を課せられた状況だった。
1月の時点で追加されたのは9社で、シャオミ以外に航空関連や半導体メーカも含まれている。
なお、2020年6月の発表でファーウェイやチャイナモバイルが指定されている。
このリスト指定が裁判所により差し止め判決となり、シャオミがリストから削除されることになった。
シャオミが実際に国防に関係するような機密情報に関係していたか、は不明だ。
バイデン大統領が就任後はUSと中国のにらみ合いはさらに激しくなっている。
民主党が伝統的に人権を大切にする政党だからだ。そして中国はずっと前からウイグルを弾圧しており、
そして近年は香港においても弾圧している。こういう事態は民主党が最も嫌う出来事だ。
トランプ前大統領はあまり関心がなかったから、この4年間はこの手のにらみ合いは落ち着いていた。
年末あたりから聞かれる自動車用の半導体不足、そしてビットコイン高騰によるPCパーツの高騰と
品不足など、最近はITの部品供給に関係するニュースをよく聞く。
今の半導体供給は台湾が重要な位置になっているが、台湾は中国に近い。安全保障上の問題が
以前から出ている。このため、日本から出ていった半導体の製造を再度戻すという話が
討議されているようだ。
10年ほど前の尖閣諸島のいざこざの時は、レアアース問題で中国と日本は緊迫した。
あの時は中国内の日系企業、店舗が暴動に襲われ、品物を盗まれたり店を壊された。
そのうえでレアアースを中国が輸出しないようにした。嫌がらせだ。
今度は半導体を武器に中国は世界中を脅すかもしれない。そう西側諸国は考えているのだろう。
半導体を安全に確保するには、世界の工場を中国に集中させてはいけないという考えだ。
(もっとも中国はもはや世界の工場ではないが)
かつてはシリコンアイランドと呼ばれた九州に再び半導体工場が建設されるのかもしれない。
日本の中で雇用が作られるのでそれはいいことではあるが、一方で職を失う中国内の人も
でてくるだろう。それをきっかけに新たな中国からの制裁が始まるのかもしれない。
世界を二分するようなにらみ合いが当分続きそうだが、いいことはなにもなさそうだ。
シャオミの話から現状の政治問題にまで思いをはせたが、世界中が仲良くやっていける日は
何時になったら来るだろうか。
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