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初の依頼レビュー記事。
バックアップ用ソフトウェアについてのまとめはこちら。
会社員勤めが長いと、PCが壊れてデータが吹っ飛ぶということを何度か経験する。
HDDの異音に気づきつつも会議に行き、帰ってきたらPCがお亡くなりになっていた、
なんてことがあった。
昔のPCは耐久性に問題があったのだろうか、あるいは高価なのでなかなか更新して
もらえなかったためだろうか。
そういえばここ何代かのPCでは、壊れる前にOSのサポート切れか古くなりすぎて入替てもらっている。
以前から続くNASの普及に加えて、パブリックや、プライベートクラウドを使った
ファイルサーバが浸透してきている。
さらにVDIの広まりで仮にPCが壊れてもデータを失うことはあまりなくなった。
データは新たな価値を生み出す。
PCが壊れたぐらいでデータがなくなってしまうには惜しい時代になった。
以前書いたときから状況はあまり変わっていない。
自作ファイルサーバのNAS4Free( XigmaNASに改名)
の容量が減った際にUSB接続の外付けドライブLHR-4BRHEU3(RAID5で8TB)に古いファイルをZIPして移動した。
半年経って、また容量が足りなくなってきた。
そろそろ追加しないとまずいが、まだドライブ10本を格納できるケースを買っていない。
予算もないし。
この夏はこのまま乗り切るしかなさそう。
今までは単なるフルバックアップをしていたが、ブログの記事の下書きや写真の世代管理をしたい。
そのためには差分バックアップできるソフトウェアが必要だが、いいものがない。
単に世代管理することはフリーソフトでできるが容量がたくさん必要だ。
そこにちょうどバックアップソフトウェアのレビュー依頼を受けた。
EaseUS Todo Backup
無償のバックアップソフトをはじめ、数々のツールを提供するEaseUS社。
以前自分もノートPCの内蔵HDDをSSDに載せ替える際に、HDDのクローニングに使った。
もう4年くらいになるが、問題は感じていない。
今回レビュー依頼があったのはTodo Backupというソフトウェア。
製品紹介ページを見ると、フリー版でも多機能。
以下の機能がある。
とのこと。
バックアップとして重要な重複排除機能はないものの、最低限必要な機能はある。
しかも、OSを載せたドライブをクローニングする機能も提供する。
大昔と異なり、OSの載ったドライブのクローン作成はツールなしで作成は難しい、というよりはもはや無理。
フリー版でできるのはありがたい。
一方で有償のHome版では以下の機能が追加される。
3,980円と非常に安価だが、サブスクリプション契約ではないので、永久に使用できる。
(対象OSを使う限り、の場合)
フリー版でもたいていの要求は対応できるが、これらを見て興味を持ったものがある。
この3点のうち、最初の1つを評価する。
ダウンロードしてウィザードで設定をする、一般的なアプリケーションと同じ。
念のため、スクリーンショットを貼っておく。
まず、ダウンロード。
続いてセットアップ。
インストールが終わり起動する。
フリー版なのでライセンスコードは入れず、「後で」ボタンを押す。
左上のアイコンをクリックするとメニューがずりずりと右に出て、アイコンの意味が分かる。
左下のツールアイコンをクリックすると、ツールが表示される。
なんと、iSCSIまで設定できるんだ。
バックアップ先は以前ブルーレイレコーダから取り出した2TBのAV用のもの。
特殊なものではあるが、5400rpm、シーケンシャルアクセスに強い以外は通常品と同じであろう。
操作に関するヘルプは下記にある。
以下の操作は全てCore i7 6700K、メモリ16GBの、自作メインPCのJisaku6で行う。
バックアップとリストア操作のうち、圧倒的に行う回数が多いのはバックアップのほうだ。
バックアップが速く終わればストレスを感じない。
このバックアップソフトではどのような結果になるだろうか。
壊れて一番困るのは240GB SSDのCドライブにあるシステム関連のもの。
システムバックアップメニューでバックアップする。
Cドライブは170GB程度消費している。
ボタンをクリックして設定をする。
変更したのは7日で削除する世代管理(今回はテストなので)と圧縮は高圧縮に設定。
優先度は変更なし。
バックアップ処理はOutlook、IE、Chrome、Edgeとスクリーンショット編集用の画像処理ソフト、エディタが起動している状況で実行した。
バックグラウンドで動くものを除いて、他に負荷をかけるアプリケーションは動作していない。
41分かかり、バックアップファイルは136GBになった。
バックアップ中の様子をじっくり眺めた。
CPU負荷はおよそ60-80%程度。
メモリは7GBだがこれは変化はほぼなし。
SSDのためかCドライブは20%弱のアクセスで済んでいる。
一方の書き込み先のEドライブは30-50%程度の負荷がかかる。
イーサネットは単位がKbpsなので定常的な通信だろう。
バックアップ中にスクリーンショットの編集と保存、メールの閲覧、WEBの閲覧をしたが、気になるような引っ掛かりはなかった。
30分くらい経過した際に、CドライブのReadが高負荷になった瞬間があった程度。
今はフリーウェアでデータファイルを一括バックアップしている。
NAS4Free上のファイルとタイムスタンプを比較し、新しかったらNAS上のファイルを置き換えているだけだ。
事前のタイムスタンプ比較もあり、29万個のファイルに対して45分くらいかかっている。
圧縮もない。
3TBの5400rpmのSATA、WD30EZRZをデータ用ドライブとしているが、今回はテストなので写真のみをバックアップする。
59000ファイル、306GBある。
ファイルバックアップメニューを選択し、対象フォルダを選択する。
2時間32分かかり、バックアップファイルは310GBになった。
CPU負荷はおよそ40-60%程度。
メモリは8GB弱。
写真はHDDのDドライブにある。
転送元が35%程度。
一方の書き込み先のEドライブも35%程度の負荷がかかる。
1時間経過したころ、バックアップ元のDドライブに対するアクセスはほぼ100%になっていた。
CPU使用率がそんなに高くないためHDDの転送速度で頭打ちになり、処理が進んでいないようだ。
Free版の測定後、ライセンスコードを入力し、Home版に昇格した。
同じ手順で再度バックアップを作成した。
操作手順は同じ。
37分かかり、バックアップファイルは130.4GBになった。
CPU使用率が常時高い。80-90%になっている。
他の操作が若干引っかかる。
気になる場合は事前にオプションでパフォーマンスの優先度を下げるように設定を変える必要がある。
また有償版のメリットとして、不要なごみ箱内のファイルや一時ファイルは除外することができる。
対象容量を減らすことができる。
Free版と同じく写真フォルダをフルバックアップした。
操作手順は同じ。
2時間17分かかり、バックアップファイルは310GBになった。
CPU使用率が40%前後だが、他の操作が若干引っかかる。
バックアップ対象のDドライブは100%になっていることもあった。
一度フルバックアップを採ったら、次回以降は差分バックアップでいい。
操作はアプリケーションの画面で対象のバックアップタスクで右クリックし、差分バックアップを選ぶ。
(画面のスクリーンショットが取れなかったので、公式ページから画面を借用。)
システムドライブは半日以上使っていた以外の変更はしていない。
4分かかり、バックアップファイルは2.8GBになった。
実行中の操作の引っ掛かりはあるが、時間が短いのであまり問題ではない。
53KBの1ファイルだけを追加した。
39分かかり、バックアップファイルは64MBになった。
ファイルの増量に対してバックアップファイルが大きいのは、ハッシュなど管理情報があるからだろう。
Free版とHome版、それから差分バックアップの実行結果をまとめた。
Free版 | Home版 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
フルバックアップ | フルバックアップ | 差分バックアップ | ||||
システム | 写真 | システム | 写真 | システム | 写真 | |
時間 | 41分 | 2時間32分 | 37分 | 2時間17分 | 4分 | 39分 |
サイズ(GB) | 136 | 310 | 130.4 | 310 | 2.8 | 0.064 |
有償のHome版は速いということだったが、評価してみたら10%程度の差であった。
この程度の差であれば、速さで有償版を購入する必要はなさそうだ。
一方で有償版でしか使えない機能があり、これらが必要な人にとっては4000円は高くないと思われる。
例えばOUTLOOKのメールバックアップ機能は重宝するはず。
今回はバックアップ速度の比較のみ行ったが、機会があれば有償版のみの機能を評価しようと思う。
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