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IBMから突然の発表があった。
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名前だけ聞いても思いだせない人が多いだろう。IBMがRedHatを買収した際のRedHatのCEOだった人物だ。在任中にRedHatを一流のITベンダに育て上げた手腕を買われたのか、IBMのプレジデント職に就任していた。
その氏が急に退任したとIBMが発表している。
IBMはその昔からITを提供する企業だ。企業名からして、International Business Machineだっけかな。コンピュータが登場する前から計算機を販売する企業だ。
昔は真空管を使って大きな計算機室のメインフレームを作って販売していたが、時代の流れでPCを作り、IBM互換機のリファレンスとして一時期は活況だった。
しかし互換機のほうが力を持ち、IBM自身は後のThinkPadなど名機が出るもののビジネス的にはじり貧となり、最終的にLenovoにPC部門を売却している。
その後もサーバについても売却し、近年はハードを売らない、サービスを売る会社となった。
ハード部門を売ったのちはSoftlayerを買収するなどでクラウドに乗り出し、IBM BlueMixとして提供している。
しかしaws、Azureなどには大きく水をあけられ、Oracle Cloudには猛烈に追い上げられている。いや、もう抜いているかもしれない。
IBMは典型的な大企業に陥り、過去何度もCEOが立て直しを図ってきた。しかい近年はかなり傾いてきた印象だ。
そこでテコ入れをするためだろう。RedHatというLinuxのみならずオープンソースの有力ベンダであるRedHatを買収して、今後のサービス提供に役立てようという魂胆であったと思う。
RedHat価値はそのくらい高いものという評価だろう。一方でIBMの価値は地盤沈下が続いている。
似たような状況なのはGEだろうか。GE,General Electoronicsは発明王エジソンに発する歴史ある会社だが、ジャックウェルチがCEOをやっていたころを頂点に昨今はじり貧だ。
かつての選択と集中施策や金融事業への傾斜でジャック時代は隆盛したが、その後のサブプライムローンに発するリーマンショックなどの経済の致命的な打撃を受けて、金融事業を手放し、最近では虎の子のエンジン事業も危うい。
製造業回帰といっていた割にぱっとしない。それはそうだろう。製造業が終わったと判断して金融に行ったのだから、戻ってもいいネタは落ちていない。
IBMが祖業のハードウェア事業に戻ることはないと思うが、RedHatとのシナジーを期待したもくろみは道半ばで消えたようだ。
むしろ今後はRedHatがIBMを飲み込む、そういう事態が来るのかもしれない。
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