スポンサーリンク
mineoが提供するマイネ王にて、ドコモに支払う回線貸出料が明らかになった。
顧客満足度の高いMVNO事業者 mineoのまとめはこちら。
マイネ王に書かれている。
こういう資料は公開されているのかもしれないが、話題に挙がること自体が稀なので興味深い。
ドコモからMVNOに貸し出す回線使用料は、下記要素から計算される。
WEBに書かれている情報を検証してみた。
上図によれば、契約者数に比例する部分と、一定の帯域をMVNO事業者がわける人数を決める部分の2か所に分かれている。
契約当たりの定額制は、69円+8円=77円だ。これ以外のデータ通信量をどう分けるかで月額料金が決まるはず。
1Mbpsでは一月で320GBダウンロード可能です。1GBあたり60円位です。
補足すると、ユーザ当たり1か月間、24時間すべてを1Mbpsで使えるとして、上図の定額通信料は10Mbpsまでは定額なので、10人でこの契約をシェアするとしよう。
すると定額通信料203,270円は10等分になるので、1人当たり先の契約当たりの77円を足して20,404円だ。これで使える月間データ量は324GBになる。
20,404円で324GBなのでGB当たり63円にある。
しかし月額利用料20,404円ではMNOよりもはるかに高いので誰も使わない。となると安くするために、10Mbpsの定額通信料の範囲にいかに多くの人を詰め込むか、がMVNO事業者の腕の見せ所になる。
先の条件で、まず通信速度を変えて、合わせてユーザ数を変えてみる。
平均100kbpsとして100人でシェアする。これも合計で10Mbpsだ。同様に計算すると、1人当たり2,110円。月間データ量は1人当たり32GBになる。
この辺りは楽天モバイルの提供するサービスに価格が近い。もちろん楽天は今はMVNOではないので計算の前提が異なるが、この辺りが業界の相場ということだろう。
月に32GBほしい人はMVNOでは少数派だ。さらに速度を落とす。平均10kbpsとして1000人でシェアする。これも合計で10Mbpsだ。
同様に計算すると、1人当たり280円。月間データ量は1人当たり3GBになる。
スピードが遅い、でも安いとMVNOは売ってきた。上記計算から、ドコモに支払う使用料=原価は3GBで280円。この時の通信速度は1000人のシェアで平均10kbpsとなった。
この計算前提は1000人が全員同時に使用する場合だ。MVNO契約してもまったく使わない人もいるし、夜中や勤務時間中は使わない人もいるだろう。
MVNOが夜中に速い、昼休み時間帯は遅いという話は、原価を安くするため定額通信料を増やさない、つまり帯域を追加購入しないところからきている。
夜中は使う人が少なくても定額料金は発生するので、速度の上限制限なく速く使える。逆に昼休み時間は使う人が多いので、10Mbpsの帯域に合うように、全員の通信速度が落ちる。(どちらかといえば、通信対象のパケットが届く時間が待たされる、というほうが正確か。回線を提供するMNOとのキャリア周波数が落ちるわけではないので)
先日mineoでパケット放題Plusを一部プランで提供終了すると発表があったが、この原価計算の計算式が一部ユーザの使い放題によって成立しなくなり、そのため変更することになったようだ。使い放題プランなのでもちろん使っていいのだが、それでは商売が成り立たないと判明したのだろう。
ドコモに支払う回線使用料にMVNO事業者の利益が載ってユーザが払う金額が決まる。MVNO事業者ごとに月額料金が異なるのは利益の金額もあるが、どのような使われ方、つまり10Mbpsを何人に切り分けて、ユーザからの苦情をいかに少なくできるか、という調整にかかっているように思える。
利益をとるようにしたら価格が上がる。速度を上げたら価格が上がる。安くすれば遅いと苦情が来る。
どういう調整をしてもうまくいきそうに思えない。だから回線契約と同時購入で安く端末を買えるようにして、MVNOを使わないユーザを増やしたいのだろう。
興味深い話だった。実に面白い。
PR