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総務省から6月末時点のMNO、MVNO各社のシェアなどの情報がまとめられて発表された。
MVNO、MNOについてのニュースのまとめはこちら。
電波や郵便を管轄する総務省。電波、通信、郵便制度を確実に機能するように管轄してくれている役所だ。
総務省が定期的にMNOやMVNOの状況をまとめており、6月末の状況がこのほど公開された。
移動体通信の回線は需要が行き渡り、20年3月以降は成長が鈍化している。前回もそうだが、今回もその傾向は変わっていない。
携帯電話自体は21年6月時点で1億9,680万回線になっている。3か月で170万回線ほど増えている。この数にはIoTなど人間を介さないエンドポイントも含まれていると思う。
5Gが始まったのが昨年4月。3Gがそろそろ終わり、主役がLTEから5Gへの変わりつつある。現在の割合はどうだろうか。
2021年6月の契約数は、3Gが2,412万、LTEが14,962万、5Gが2,244万だ。割合としては1:6:1だ。
グラフを見てわかるが、ちょうど3Gと5Gが同数になっており、この調子で行けば3か月後には5Gは800万回線増え、3Gは200万回線減っていく。
LTEについても2020年9月から一転して減少に転じている。5G回線の増加が関係しているのであろうか。
では、MNO4社のシェア状況はどうだろうか。
楽天は21年3月時点でシェアはわずか1.5%だった。21年6月は1.9%。増えたとはいえ、こんなものだろう。
他は3月とシェアは大きく変わっていない。劇的に多くなったMNOがなければ減ったMNOもない。
一方でMVNOはどうだろう。まずはまとめの文章。
回線数は総数で2,400万回線。3月から6万回線減っているが、これは3月のMNOの低価格20GBデータ容量プランが開始されたことを見て、解約したユーザが多かったのだろう。こちらも緩やかな上昇だったが、今期初めて減少に転じた。今後も減少が続くかもしれない。povo2.0やLINEMO 3GBプランの登場で、MVNOの存在意義が危うい状況だ。
対前四半期で見た増減の推移だ。MNOとMVNOでどう動いているかがわかる。
20年3月にMNOは一度底を打っている。この時期は5G開始だ。5GがあるのでMNOを契約する、とは考えにくいが、コロナウィルス以外に影響するものは考えにくい。
そして21年3月は低価格20GB料金プランの登場で、一気に100万契約も増えている。この中には楽天モバイルの300万回線に向けた追い込みも含まれているだろう。
一方で、MVNOは19年3月から一貫して増加幅が減少している。そしてとうとう6月はとうとう減少に転じた。
6月に減少になった理由は明白で、21年3月の低価格20GB料金プランの登場が原因だろう。いままでMVNOに来ていたユーザがMNOの契約に戻ったという事だろう。
では、全体が減少に転じたMVNOのシェアはどうだろうか。
以前から強いIIJmio、OCNモバイルONE、mineo、楽天モバイルあたりになり、下図では5位が途中でBIGLOBEからLINEモバイルに入れ替わっている。
携帯電話ではないが興味があったので最後に1つ。FTTH,つまり光回線の都道府県別のシェアだ。
興味深いのは、地域によってNTTのシェアが異なるという事だ。
多くはグラフの下の方のフレッツ光(NTT東西)と〇〇光(NTT東西卸)がシェアを占めている。
北海道ではこれらで80%近いシェアになっている。他の都道府県でもだいたい60-70%だ。
しかしこの様子と異なる県がある。愛知、岐阜、三重、静岡、大分と滋賀、兵庫、奈良、徳島、高知の2グループだ。
前者はKDDI系、後者は電力系事業者が強い。特に徳島は電力系が50%を占め、NTTと逆転している。
NTTといえど、全国で等しく力があるわけではなく、ある地域ではそれに代わる勢力があるという事のようだ。その地域にいないとNTTとの違いが分からないので詳細は分からないが、興味深い。
2021年3月開始の低価格20GB料金プランの影響が見えた報告だった。予想通り、MVNOは減少に転じており、今後生き残るためには安いだけでなく何か付加価値がないと厳しい時代になっている。淘汰されて、生き残るMVNOもその理由が安いだけならいずれ絶滅してしまうだろう。
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