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NTTがドコモを買収 その効果、この先の行方は?

 

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NTTがドコモを買収 その効果、この先の行方は?

NTT本体がNTTドコモを買収するというニュースがあった。
これについていろいろ考えた。
ドコモについてのまとめはこちら。

NTTドコモの歴史

自分の記憶で書く。
かつて電電公社だった電話を中心とした通信事業。規制緩和と財政の健全化を目指し、
当時の政府が民営化したのが1985年。株式公開は1987年。当時のNTT株はバブルの代表例として
購入した人に大きな泡銭をもたらした。

時は流れて時代が固定通信から携帯電話に変わっていく予感だけがあった頃。
そう、街中で携帯できるデバイスといえばポケベルだけで、女子高生が素早く入力する技術を
持っていた頃、1993年にドコモはNTTから分離し独立した。当時の社名は別のもので、
ドコモはブランド名だった。

それからのドコモの破竹の進撃は目を見張る。
独立した頃に第2世代(2G)のmovaを開始。テレビコマーシャルには当時のハリウッド人気俳優を起用した。
(円高で安かったのだろう)
最近でも芸人が笑いとして見せるショルダーホンのような大きさだった携帯電話が変わっていく。
軽くて小さい携帯電話は音が悪かったし月額料金が今と比較にならないくらい高かったけど、
皆が欲しがるアイテムだった。
でも高校生、大学生では買えないので、PHSを代わりに持つ人が多かった。

そしてiモードの登場

ガラケーといわれるゆえんのガラパゴスケータイ。その特徴がiモードだ。1999年という世紀末にサービスが始まり、
瞬くまに広まった。その頃はPHSとの競争で月額料金が下がっていき、大学生から高校生へと普及が始まったころだ。

iモードとは、今のスマホでできているネットアクセスの簡易版で、HTMLの簡略版の記述言語を使って
小さな画面に表示をさせて、テキストベースのネットサービスを提供できるようになった。
思い起こせば、それまでの携帯電話は液晶画面が数字1行を表示する程度。だってそれ以上に必要なのは電波の強度と
バッテリの残量ぐらいだ。
それが縦方向にのび、数行にわたって画面を表示してチケット予約、ネットバンキングなどが始まった。

このサービスは世界的に見ても画期的なものだった。
2001年に3Gサービスが開始し、まだまだガラケーの時代だった。
さらに象徴的なものが2004年に始まる。FeliCaを搭載して、おさいふケータイサービスが始まった。
カメラに続いて、とうとう携帯電話は財布になった。

凋落の時代へ

牙城と見えたiモードを崩したのはほかならぬアップルのiPhoneだ。
2007年から発売され、スマートフォンという新分野を作り出し、ガラケーをとうとう駆逐した。
iPhoneは画面が大きく、ガラケーのHTML似の記述言語ではなく通常のHTMLを理解できる、小型のPCだ。
ほかに高性能カメラ機能を搭載し、ブランドイメージもあって瞬く間に世界を席巻した。
当初iPhoneを提供していなかったドコモは販売面でかなり落ち込み結局他の2社と同じくiPhoneを売る三つ巴の
戦いが始まった。

その後はiPhoneを最初に売り出したソフトバンクの躍進があり、シェアをじりじり下げていた。

今回の買収の話し

話しが長くなったが、NTTとドコモの関係は法律があったり政府の意向があったりで容易に再統合できなかった。
今回なぜできるように判断したのかよくわからないが、他のau、ソフトバンクは固定電話も携帯電話も
提供しているので、一体となった販売ができないドコモは相当苦しかったはずだ。

いまや固定電話は通信量自体が減り、そのうちなくなるのではないかとさえ思う。
そうなったときに人口が減っていく時代の日本では携帯電話だけでは生きていけない。相乗効果のある固定電話も
あてにならない。そういう背景があって、ソフトバンクはPayPayなどECモール、電子マネー系に、
auは紆余曲折あるがPONTAを提供するコンビニのローソンと提携していくことでやはりECサイトや実生活で使える
ポイント共栄圏を目指している。
で、ドコモは?
ドコモは独自のdポイントを相当な資金を投入して広めているが、どうも強力なパートナがいない。
ドコモのdショッピングなどを大きくしてECサイトで生きていくように見えるが、amazon、楽天に比べれば全然だ。

そのうえで昨年から続く携帯電話料金を下げる圧力が政府からつづく。
どこまで下げられるか?5Gへの投資を考えると容易に下げることはできないが、原価から考えるとかなり多めに
料金を取っていると思える。
徐々に狭まる周囲の環境に対してドコモは動きが鈍く、株主であるNTTが不安を感じていたようだ。

NTTの思惑は何か?

今回のNTTの買収は、ドコモという収益源を再び取り込むという意味だけでなく、新しいシナジーを生み出す土壌を
作り、携帯電話だけでなく総合通信ベンダとして他の2社に対抗できる方策を考えていきたいのであろう。

でも考えてほしい。2社同様にECサイトに進もうとしても第4のMNOである楽天がいる。楽天のECサイトに
容易に勝てると思えない。
NTTはドコモを取り込んで、どこへ向かおうとしているのだろうか。

ファーウェイがトランプ大統領に名指しで批判されている間にほかのメーカに5Gのネットワークを構築する
機器メーカになるチャンスがやってきた。
NTTはすでにNECと提携しハードとソリューションの準備ができた。ドコモの獲得で携帯ネットワークの構成を
NTTの思った通りに構築できるようになった。
あとはNTTデータなどが魅力的なソリューションを作り出せたらいいのだろうか。
いやそれは難しいな。

このままでは自然消滅。その脅迫感がNTTを突き動かしたのかもしれない。
ドコモだけで明るい未来が来るわけではない。でもないよりはあったほうが方法が増える。
新NTTグループがどこに向かうのか、今後も目を離せない。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

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