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楽天は2019年の決算説明会を開催した。ネット配信もあったようだが、IRのページからその資料を参照できる。
ここでは資料から見える楽天の状況とこの先を考える。
楽天モバイルについてのまとめはこちら。
IR資料は下記から、誰でもダウンロードできる。
ここではモバイルのスライド資料を拝見した。
残念ながら説明会の配信はオンデマンドとなっており、当日だけ参照できたのだろう。
まず開始数枚で、タイトルのように書かれているスライドが出てくる。
以前に書いたが、料金プランが公表されていなかった。
3月3日にいよいよ延期していたプランの発表をするようだ。
果たして、驚くほどの安価なプランが出てくるか、
驚くほどの付加サービスが付いたプランが出てくるか。
楽しみである。
出た内容によっては、他のMNOである、ドコモ、au、ソフトバンクも
対抗策を考えなければならないだろう。
メディアの記事を読む限り、楽天の料金プランは恐れるに足りず、と各社は考えているようだ。
楽天は最終的には自社で提供する基地局で無線サービスを提供予定だが、
まだ東京23区と大阪市内程度だ。
しかも使用する周波数の問題でプラチナバンドとは反対に1つの基地局でカバーできる範囲が狭い。
電波が回り込みにくく、透過しにくいのだ。
一般的に電磁波は低周波数ほど透過しやすく回り込みしやすい。
例えば潜水艦との通信は水を突き抜けることができる低周波(=長波)だ。
携帯電話では900MHz帯、1.5GHz帯を使ってきた。楽天モバイルは1.7GHz帯を使用する。
プラチナバンドと言われたのは、900MHz帯のことだ。
楽天モバイルはその帯域を持たないので、直進性があり、
透過しにくい電波で営業していくことになる。
つまり、基地局を数多く作らないといけない。
基地局の設置計画は当初計画の甘さもあって出だしはかなり悪かったが、
決算報告会ではかなりリカバリした印象だ。
しかし全国に楽天の基地局が立つのは数年後、もしかしたら10年経っても
終わっていないかもしれない。
このため、全国をカバーするMNOとしてはまだまだ。当面はauのローミングに頼る。
ローミングは事業社間で従量制で料金が支払われる。そこに定額制はない。
このため各記事では、「楽天は定額制の大容量安価な料金プランを出せない」と予想している。
恐らくそうだろう。
auなどは上限なし使い放題の5Gを考慮したプランを出してきているが、
楽天はこれができない。できないが、実質無制限に近い大容量ならあるのではないだろうか。
例えばテザリングができない状況で25GB、テザリングありなら100GB。
これに見合う安価な料金設定で有れば、無制限ではなくてもユーザは実質問題ない。
そういうものを期待する。
(ついでにダイアモンド会員なら50%オフとかあると嬉しいぞ)
シートにはこういう図もあった。
数字は上から設備の稼働率、呼接続の成功率、接続呼の継続率だそうだ。
稼働率が99.3%とあり、おやと思った。
この稼働率から計算すると、年間の停止時間は2.4日になる。
ここでは「サービスの稼働率」とは書かれていないので、
サービス停止が年間2.5日ととるのは早計と思うが、もしそうであったら、
そんなに長期間止まるMNOでは使い物にならない。
通常は稼働率の計算では計画的な保守の停止時間は含めないので、純粋な故障による停止時間だ。
アーキテクチャを刷新したという話はどこに行ったのだろう。
そのアーキテクチャだが、楽天モバイルはMNO参入表明の当初から、
制御システムを仮想化して提供するとしていた。
仮想化により安くなり、新しいサービスも早く取り込める、ということだったと思う。
そのために世界中の優秀な技術者を集めたという話しだった。
それがこのスライドに書かれているオープンRANプラットフォームのことと思われる。
図を見ると、最近のIT業界のキーワードがある。
専門家ではないので見てもよくわからないが、最近のキーワードを並べているので、
最新の技術を駆使して作っていると思われる。
クーバとマイクロサービスはここ数年のトレンドだ。
しかし逆に言えば、実績のない方法でシステムを作っていることになる。
これが楽天モバイルのMNO参入の優れた点であるとともに、ボトルネックにもなっていると思われる。
大きな、致命的なバグが出てこなければよいが。
本番サービスまであと1ヶ月。無事にサービス開始になることを願いつつ、
我が住む町にも早くきてほしいと思う。
選択肢が増えることは歓迎だ。
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