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気になるストレージ新製品を紹介しつつ勝手にレビューするシリーズ。今回は国内企業で唯一NANDメモリを製造するキオクシアからSSD LC9シリーズ。
このLC9シリーズはデータセンタ向けに高まるAI関連のトラフィックを処理するため、123TBの大容量となっている。
高速ストレージデバイスであるSSDについてのまとめはこちら。
前から言われている話だが、聞いたことがない人もいるかもしれないので書いておく。(知っている人は次の見出しにどうぞ)
今はGB当たりの単価はHDDの方が安いが、いつかはSSDが安くなるとずっと言われている。しかもHDDでは実現できないような大容量も実現できるという。
それは両者がデータをどのように記録して保管するかという方法の違いから来ている。
HDDは古い技術で、昔のPCで使われたフロッピーディスク(Excelなどで保存するときのアイコンがフロッピーディスクだ)と同様の方法だ。つまり磁性体に磁気を帯びさせて、1ビットを表している、磁気がN極かS極なのかで0か1かを表現する。これを微細な面積で磁性体を磁化することで、大容量の記録を行っている。
フロッピーディスクは取り外し可能ということもあって、1MB程度の容量だった。HDDは磁性体をガラスなどの固い円盤に吹き付けて高速回転させている。
近年では空気抵抗も気になるということでヘリウムガスを封入して摩擦を減らすことまでして、記録密度を高めている。
ここまでやってもHDDは3.5インチフォームファクタでせいぜい30TBだ。この先60TBくらいにはなるだろうし100TBになるかもしれないが、まだ当分先だろう。
磁性体の素材などは変わっても、磁性体を磁化させてそれを読み取るという方法が変わらない以上は、微細化に限度がある。最近は熱を加えて磁化させる範囲を小さくするようにしているが、100TBにするには画期的な技術でブレークスルーしないといけないだろう。
一方でSSDは、基本的には版画と同じ仕組みだ。版画というのは小学生の頃やったであろう、木の板などを掘って色を付けて紙に押し付けることで複製をつくるあの版画だ。
版画の技術は微細化が可能で、最近は3nm(1nmは10の-9乗m)くらいで回路を掘って、作られる。非常に高度な技術ではあるしこれ以上の微細化には技術のブレークスルーが必要だろうが、HDDと違ってモータやヘッドのような動くものがない。従い小さくしやすい。
以上から小さい面積で大容量のSSDが今後出てくるだろう。GB単価ではこの先徐々に安くなっていくのだろう。
以上のような技術のトレンドがあるので、大容量のSSDが今後出てくると思う。
以前も書いていた。
3年前に15TBの製品が出る、という話だった。3年がたち、10倍弱の製品が参考展示ながら出てきた。
123TBという容量は、現時点ではHDDでは製品になっていない。おそらく技術的にもできそうにない。
このSSDは2TビットのQLCチップを使って2.5インチサイズで実現している。2Tビットということは、このチップが500くらいで123TBになる。
キオクシアはこの製品をAI需要が高まるデータセンター向けとしている。
5年の製品寿命に対して0.3DWPD(Drive Write Per Day)の書き換え可能な能力を持ち、低電力消費で利用可能になる。
自作PCにこの容量のSSDが下りてくるのは当分先と思うが、10TBくらいのSSDなら数年中に買えるようになるのかなぁ。
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