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端末のみ販売の実態 からくりはこうだった

 

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端末のみ販売の実態 からくりはこうだった
 

総務省が端末のみの販売をMNO4社が拒否する実態の調査結果を発表している。
MVNO、MNOについてのニュースのまとめはこちら。

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端末販売拒否とは

通信費と端末代金の分離が法律で決まって以降は、大幅な端末の割引やキャッシュバックは無くなった。
それは上限が法律で決まっているからだ。
しかしその法律があるのになぜか1円端末が売られている。なぜ?
そう考える諸兄も多いだろう。

総務省が端末のみ販売をMNO4社が拒否する実態をしたべた調査結果を閲覧できるが、そこに端末割引のからくりが書かれている。

詳細はこちら。

端末の割引のルール

通信料金と端末代金の分離により、MNO、MNOの関連会社、シェアが0.7%を越えるMVNO34社はこのルールに縛られている。
簡単に拾うと以下の通り

  • 端末の購入を条件とする通信料金の割引は禁止
  • 通信契約とセット購入時の端末代金の割引は上限2万円まで
総務省資料 端末割引

総務省資料 端末割引 出典:総務省 以下同じ

従い、MNO4社や大手のMVNOと契約するとどんなに頑張っても2万円しか引いてもらえない。
そういえばXiaomi 11T Proはそうだった。あ、でもRedmi Note 10 Proはもっと引いていたよな。

この法律に従うと、値引きは最大2万円だが、実はもっと引いてもらえるケースがあるという。

総務省資料 端末割引

総務省資料 端末割引

この図にあるように、回線契約がない、端末だけの販売なら2万円の上限はないという。
想定するのは家電量販店のSIMフリー端末であり、MNO4社が端末だけを販売して2万円以上値引きをする理由はないだろう。

ルールがあるのに1円端末はなぜできる?

では、昨年夏あたりから伝え聞く、MNOによる1円端末はなぜできるのだろう。

総務省資料 端末割引

総務省資料 端末割引

もちろん安く買えるのはユーザとしてはありがたい。でもなぜできるの?実は盗品や中古なの?

実は1円端末の値引きは2階建てになっていて、組み合わせてできているようだ。

総務省資料 端末割引

総務省資料 端末割引

この図の左にあるように、合法的に1円端末ができている。まずMNPで契約すると22,000円を値引きする。これは回線契約を伴う場合の値引き上限だ。
更に機種限定の割引を行う。この例では23,999円で、併せて45,999円の値引き。こうして1円端末ができる。
後者の端末に対する値引きは最近よくある、2年経ったら端末を返すと残債はチャラになる、というあのプランだ。
制度設計がうまくできたので、最近は1円端末の最新iPhoneが多いようだ。

一方で図の右のは全て違法になるケースだ。端末を売らない、売っても他と同じ値引きをしない、あるいは値引き額が上限を超えている。どのケースもアウトだ。

端末販売拒否の例

MNO4社はシェア争いをしているので回線契約してくれる客にはサービスしてくれるが、端末だけ買いたい客にはそっけない。

総務省資料 端末販売拒否

総務省資料 端末販売拒否

調査結果の例を見ても、ルールを知らなかったらユーザは引き下がってしまうようなもっともらしい理由だ。
その場で別の客が回線契約付で同じ端末を買っていない限り、分からないのではないだろうか。

1円端末のからくりは分かった。今後この手を行政が封じると、また別の手が出てくるだろう。
どういう売り方になったらユーザもMNO事業者も幸せになれるのだろう。この行政とMNOのイタチごっこはまだまだ続きそうだ。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

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