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10月の3連休明けを襲った全銀ネットの障害による、銀行の他行あて振り込みできない障害の原因が分かった。
今回も日本の技術力低下を憂う原因だった。
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3連休明けの10日、朝から三菱UFJ銀行やりそな銀行から他行への振り込みが一切できない状況になった。
復旧は2日後の12日朝からとなり、500万件以上の送金に影響が出た。
全銀ネットは銀行間の送金に接続するネットワークのようだがあ、三井住友、みずほ銀行など影響がなかった銀行もあるのでその点が不思議だった。
日経XTECHの記事によれば、原因は単純な問題だったようだ。
引用しよう。
全銀システムと各金融機関のシステムをつなぐ中継コンピューター(RC)において、メモリー不足に起因し、金融機関名などを格納したインデックステーブルに不正な値が紛れ込んだ。
インデックステーブルはRCのディスク上にあるファイルから展開する。このファイルを作成するプログラムを実行したタイミングで、一時的に確保するメモリー領域が不足し、ファイルの内容が不正確になったという。
おやおや。
ソフトウェアの更新をやったらしいが、その際に膨らんだメモリ量の見積もりを正確にできなかったようだ。
トラフィックは変わらないとしても、1つ1つのインデックステーブルのサイズが大きくなったことの考慮が漏れていたのだろう。
ましてや3連休の後、一部では給料日になっている10日だ。工事をするにはリスクしかない3連休を選んで実施してしまったようだ。
見積もりが甘い、失敗したときの対応を考えていないあたり、昨年にぎわしたみずほ銀行の障害に通じるものがある。
技術力の低下は否めない。
一方で、昨年夏のKDDIの通信障害も数日止まって大きな問題になったが、銀行振り込みを全銀ネットを介してしか行えないということはSPoFになっており、運用する観点では決して進められない構成だ。
もともとのシステム構成がおかしいだろうし、システムの複雑化も原因にありそうだ。
この先年1回くらいの頻度でこういう大きな社会に影響があるシステム障害がありそうだ。困ったものだ。AIの活用で何とかなるのかな。
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