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発表によれば、昭和電工がHDDの新しいメディアの
製造技術を開発できたとのこと。
これにより80TBもの大容量のHDDが実現する可能性が出てきた。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。
磁気メディアの専業メーカである昭和電工が熱アシスト磁気記録(HAMR)に
対応したHDDメディアの製造技術を開発したそうだ。
HAMRは磁気記録を高密度で行うためのブレークスルー技術で、
単なる方法で磁気記録をする場合に対象となる面積の極小化が
限界になっていた。熱を加えることで磁気によりデータを記憶させる
エリアの面積をさらに狭くできる技術だ。
この技術により、記録密度が従来は1.14Tb/平方インチのところを
4倍程度の5~6Tb/平方インチに上げることができる。
従来方式でのHDDの容量が20TB程度で上限になる見込みなので、
3.5インチのドライブがHAMRにより80TBになる、ということだ。
HDDが大容量になると、大容量データの保管が従来は数台、
あるいは数十台のHDDでやっていたものがたったの1台でできてしまう。
数年前まで主流だった3TBのHDDを使って1PB(1024TB)のデータを
保管しようとすると、342台必要だ。一方でこの80TBのドライブがあれば、
13台で済む。HDDを入れるサーバが少なくなり、消費電力も減る。
HDDの数が減れば故障する部品も減る。
HDDが大容量になると困ることがある。
まず、RAID構成にすると、Syncさせるのにかかる時間が
とてつもなく長くなる。これはSATAの規格の上限などで
抑えられているためなので新しい規格で高速化されていけば
短縮の可能性はある。
先日地デジ用のNASであるHDL2-AA0/eの3号機を構築したが、
6TBのRAID1のSyncでおよそ12時間だ。
単純計算で、80TBなら160時間になる。1週間かかって同期されるってことだ。
RAID1ではなくRAID5,6であれば故障したドライブを交換している間に
別のドライブが壊れるとデータが保証されなくなる。
(RAID6の場合は2台故障まで保証される)
Syncの時間が長いほど、2台以上の故障になる確率も上がってくる。
このため、あえて大容量ドライブを使えないケースもある。
データ爆発によりHDDの大容量化の要請が強まり、とうとう80TBという
巨大なHDDが作られるベースができた。
しかしRAIDのSync問題があるように、そろそろ転送速度の
抜本的な工場ができないと、大容量だけど危険なHDDと揶揄されかねない。
次はSATAに代わる次世代のデータ通信規格かもしれない。
NVMeでも遅いと思っている。
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