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CPUがAMDの後手に回っているインテルが、NANDビジネス売却後に打つ次の手として、
半導体受託製造会社を買収するニュースがやってきた。
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ウォールストリーとジャーナルによれば、インテルが大手半導体受託製造会社であるグローバルファウンドリーズの買収を検討しているらしい。
インテルの主力事業はもちろんCPUだが、以前はDRAM、NAND、5G関連チップなどいろいろ持っていた。
そのどれもが事業の利益とかシェアなどを考慮したのだろう、最終的に他社に売却しており、今はCPU以外に何をやっているんだっけ?という状況だ。
そんなインテルの苦境はプロセス微細化がうまくいっていないところからきている。他社は7nmから5nmに移行しつつあるが、インテルは昨年まで7nmをうまく作ることができていなかった。
このため新CEOのゲルシンガー氏は製造ラインのテコ入れに動いたのだろう。
記事によれば買収は300億ドル以上になる見込みで、買収できなければグローバルファウンドリーズはIPO,つまり上場するかもしれない。インテルの敵が力をさらにつける可能性がある。
インテルとしてはAMDのCPUを生産する、TSMCなど力のある半導体受託製造会社が疎ましいはずだ。AMDは自社ではなく受託で生産している。そしてインテルが同じ方法でCPUを作ろうとしても最新プロセスのラインはAMDなど他社に抑えられており、数年先まで確保は難しい。
手っ取り早くAMDに追い付き追い越すためには、5nmで生産できるラインが必要だ。でもTSMCに頼み込んで確保したのは数ラインだけのようで、2021年下期からの製造の見込みだ。この状況では必要数を確保できず、AMDにシェアをさらに奪われる可能性があるだろう。
注意すべき点は、グローバルファウンドリーズは最新微細化プロセスを提供せず、10nmどまりのようだ。7nmは開発途中で無期限の停止となり、再開のめどはたっていない。ここにインテルの技術を注入して再開するつもりなのかな。
グローバルファウンドリーズは元はAMDの製造部門が分社してできた会社だ。その会社がインテルに買収されて、AMDに対抗する製品を作る、となればまた面白い話だ。
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