スポンサーリンク
MiniTool様からパーティション編集ソフトウェアのレビュー依頼をいただいた。
パーティション編集ソフトウェアは先日EaseUS様のものをレビューしているが、本当に多種多様である。世の中に一体何社、どれだけの製品があるのか把握できていないが、今回もどういうことができるのかを調べてみた。
依頼をいただいたレビュー記事はこちら。
依頼を受けたときに失礼ながら存じていない会社だったので、ホームページの会社紹介を眺めてみた。日本語の紹介文を読める。
会社の特徴は下記の通り。
バンクーバーは行ったことはないが、ソフトウェアの開発拠点になっていると聞く。国をまたぐが近場のUSのシアトルはマイクロソフトの総本山だ。そういう地理的な事情があるのだろうか。あるいはアジアに近いからか。
香港の方は意外だ。営業拠点として香港があるのは考えやすいが、明記されていないが技術者もいるのだろうと想像している。グローバルにサポートするには時差を考慮して世界中に3拠点ぐらい持つ必要がある。(そうでなければどこかで夜勤をするしかない)アジア地区のサポート拠点と考えればよいのだろう。
最後の無料サポートの件はいいと思う。無償版のユーザにはサポート支援をしないソフトウェアが多いと思う。無償なのだから提供側はコストをかけられない事情がある。そうではあっても差別化のためなのか、メール対応は最近は無償版でもやってくれるところが多くなってきた。しかし電話番号まで公開しているのは珍しい。(無償版では電話対応はしてくれないようだが)
製品に不具合があると、問い合わせが大量にくるので電話番号を公開していればパンクしかねない。それをするってことは技術力に自信があるという裏返しかもしれない。なお、電話は業務向けのラインナップのみ対応で、かつ海外の番号なので国際電話になることに注意。
今回は下記ソフトウェアをダウンロードして評価する。
MiniTool Partition Wizard 無料版 12.3
MiniTool Partition Wizard には複数のラインナップがあって、若干利用できる機能が異なっている。
今回試す無料版以外に、ホームユースではプロ版、プロ・デラックス版、プロ・アルティメット版がある。業務用途ではサーバー版、エンタープライズ版、テクニシャン版がある。
個人ユーザが選ぶとしたらプロ版~プロ・アルティメット版に限られると思う。これらのラインアップの違いはプロ・アルティメット版がライセンス無期限に対し、他の2つは年間利用料制という点だ。無料版を使って気に入ったらプロ版に移行し、使いたい機能があればさらに上に移行していけばいいだろう。
これらのラインナップ提供機能で気になる違いだけ書いておく。詳細はこのページを参照。
先のラインアップ比較表のページの下に無償版のダウンロードボタンがある。特に何も聞かれることなく、ダウンロードできる。
ダウンロードしたファイルを起動して、インストールを開始してみる。特に引っ掛かるところはなく終わった。
自作PCのJisaku7にインストールして起動した画面を示す。
左にコマンドが縦に並び、右上がドライブのパーティション詳細、右下が全ドライブのグラフィカルな表示だ。
ではどういう使い心地か下記のユースケースで確認・レビューする。
レビューはRyzen 3600の自作メインPCのJisaku7で行っている。Jisaku7上の仮想マシンはHyper-Vで作っている。
仮想マシンで作ったWindowsにMiniTool Partition Wizardをインストールした。インストールしたWindowsのビルド番号は21390.2025というインサイダプログラムのもの。おそらくWindows11のベースになるのであろう。(評価中に発表されたWindows11のプレビューとは異なるので注意)
この仮想マシンのWindowsはCドライブのみで使っている。139GBのCドライブのサーフェステストを実行する。
サーフェステストとは、表面チェック、つまり磁性体にエラーがないかを確認するというところからきた言葉と思う。やることは記録の際にエラーになるようなことがないか、確認するテストだ。今まで見てきたパーティション管理ソフトウェアにはなかったと思う。
このテストでエラーがあれば、そのストレージは初期不良として返品交換すべきだ。(購入時の条件に返品交換ができるのであればだが)テストはGUIでとても容易にできる。左のコマンドからサーフェステストをクリックする。
開いたウインドウの右上の今すぐ開始 ボタンを押して開始。
実行中はこのように視覚的に進捗がわかる。ただし終了までの残り時間はあてにならなかった。
2分36秒で終了。およそ55GB/分で実行した。今回実施したストレージはSSD上の仮想HDDなので物理ドライブで実施すると違う結果になると思う。
この内容はEaseUS様の時もやったことだが、再度書く。
HDDと書いているが実態は1TBのSSD上に置いた仮想ドライブだ。仮想マシンなので少しでも速く処理できるようにSSDに設定している。データ用に10GBで作ったDドライブを30GBに拡張するという操作をしてみた。仮想マシン上の操作ではあるが基本は物理マシン、つまり通常のPCでも同じである。
まずはHyper-Vの管理画面で新しい仮想ドライブを最大容量30GBで作成しておく。次いでこれを仮想マシンにアタッチし、10GBのサイズでDドライブとして作成する。
まだOSに認識させていない状況でどう表示されるか。存在は認識しており、未割当のドライブであることがわかる。なお、パーティションがMBRになっていることもわかる。
MBRは今更感があるので、ツールのコマンドでGPTにしてしまおう。メニューからGPTディスクに初期化 を選び、左下の適用 ボタンをクリックする。確認が表示される。一瞬でGPTになる。
10GBのデータ用ドライブを作った状態で、残り容量の20GBをDドライブの拡張に使う。
ここで対象のDドライブのパーティション上で右クリックしてメニューを表示する。赤下線のある拡張 をクリックする。
ウインドウが開き、拡張する容量を選択する。真ん中にあるスライドバーを左右に移動させて拡張容量を決める。最大値はこの場合20GBだ。ここでは右端に移動して、最大の20GBにした。
右下のOKをクリックして、適用ボタンをクリックする。一瞬で拡張できた。まあそんなものだろう。
続いてもう一つドライブを作り、Eドライブにする。Dドライブの内容をEドライブにコピーしてみるか。
仮想マシンンにEドライブにする仮想HDDをアタッチしておく。
仮想マシンを起動してPartition Wizardを起動すると、未割当のドライブとして見えている。今まで管理ツールでやっていたディスクフォーマットをこのツールでできるようだ。
ではDドライブの内容を未割当のドライブにパーティション丸ごとコピーしてみる。
Dドライブで右クリックしてコピーをクリックする。
ウインドウが開いてどのドライブにコピーするか選択する。もちろんディスク3、未割当のドライブだ。これをクリックして次へ ボタンをクリックする。
続いて、コピーオプション、パーティションサイズの調整を行う。今回は3GB使っている30GBのストレージを30GBのストレージにコピーしたが、例えば1TBのストレージにコピーする場合は30GBのパーティションのままでもいいし、1TB全体に広げてもいい。そういう調整をここで行う。
下の左右に移動するバーでコピー先のストレージの中でどれだけ利用に割り当てるか調整できる。
次へ ボタンをクリックして適用 ボタンをクリックするとコピーが始まる。
データ量が少ないので、1分も経たずに終了した。
では、コピーしたデータは正しくできているか?コピー先をEドライブとして、データのバイナリ比較を WinMergeを使って行う。といっても1バイト単位での比較ではなく、タイムスタンプと大きさの比較でしかない。
比較結果は、一致。当たり前だが、問題ない。
今回は無償版のため、OSの入ったパーティションのコピーはできなかったが、有償版であれば可能だ。
現在使っているPCが故障して使えないと仕事に支障がある、という方は、データをクラウドやNASにバックアップするとともに、OSドライブのクローンを用意しておくとよい。
普段使うPCと全く同じものをもう1つ用意しておけば完璧だ。用意できなくても取り合えずOSブートできるドライブがあれば、なんとかできるだろう。
なお、MacはNASなどにタイムマシンでバックアップしておけば、アプリ含めて他のMacに復旧できるようだ。
パーティション編集機能の基本を押さえ、サーフェステストを備えるなどほかにはない機能を持っている。
今回は試していないが、削除したファイルの復旧もできるらしい。
ほかにはない機能を備えたPartition Wizard。困ったときには無償版で試してみるといいだろう。
PR