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昨年夏のau回線の大障害を発端にした、災害時の他社回線へのローミング検討がとうとう現実のものになった。
ずっと使っている auについてのまとめはこちら。
提携検討開始の時の記事はこちら。
3月29日からKDDIが副回線サービスとして開始する、と発表している。
では、そのサービス内容を見ていこう。
本回線であるKDDIの携帯電話サービスが障害などで普通になった時に、副回線として準備するソフトバンクの回線を使って電話、ネットの利用ができる。
対象はauだけでなくUQ mobileもだ。povoとMVNOは対象外かな。
このサービスの良いところは、別途ソフトバンクに回線申し込みをすることなく、KDDIとの契約だけで閉じることができるという点だ。
通常のSIM2枚挿しは、2枚のSIMそれぞれと契約をしなければいけない。例えばauとソフトバンクだ。
事務手続きの手数料も月額料金もほぼ倍になる。安いMVNOにすればいいが、速度が必要な人であればそうもいかない。費用面で問題があった。
それがこの副回線サービスでは、以下のメリットがある。
ただし、データ量は500MBで速度は300kbps。決して速くはないが、非常時と割り切ればとりあえずのことはできるだろう。
例えばメールやSNSの確認、QRコード決済、デジタルチケットのダウンロード、ネットバンクの操作だ。
昨年夏にauが数日止まって困ったみんなの困りごとがこれで解決する。
au、UQ mobileユーザに限られ、ネットやお客様センタからのみ申し込める。町のショップではできないので注意。
申し込みをすると、数日後にSIMカードか、eSIMの設定に必要な書面が届く。
au、UQ mobileのホームページに掲載の手順で開通設定を行う。
この時、SIMカードの差し替え(あるいは空いているスロットへの差し込み)やeSIMの設定は自分でやらなければならないので、ホームページを見て作業ができる人でないと難しい。
町のショップにもっていけばやってくれるのかな?
開通は副回線からの発信テストが成功すると初期設定が完了になる。その後再度au/UQ mobileの回線に手動で戻す設定が必要だ。
au/UQ mobileで障害が発生したときに、手動で回線を切り替える。
具体的な方法は書かれていないので詳細は不明だ。
SIMスロットが2つあるスマホ、例えばメインで使っているシャオミのXiaomi 11T Proなら、スマホの画面からどっちのSIMで発信する、あるいはデータ通信をするという設定を容易に行うことができる。
通話は電話帳アプリ上から発信したい相手を長押しして、表示されるメニューから選べばよい。
この操作はスマホの機種によるし、SIMカードを1枚しか挿せないしeSIMもない機種では、つまり1回線しか使えない機種では、物理的にSIMカードを差し替えるしかない。その点に注意だ。
ここでは省略する。公式ページを参照。
法人ユーザは、eSIM限定であることと、月額料金が550円であること、データ容量が1GB、速度は1Mbpsであることを除けば個人ユーザと同じだ。
申し込みは法人営業担当にするのが便利だろう。
上述のように、申し込みがショップではできないので、送られてきたSIMカードを自分で差し込まなければならない。
街のショップに持ち込んで対応してもらえるならいいのだが、対応してもらえないならMVNOでSIMを契約するのと何が違うのだろう。契約をKDDIだけで済ませられる、という点だけか。
一方で料金だが、月額429円は何もしなくてもかかる。
もちろん500MBを毎月使ってもいいのだが、速くもない回線では使う気にもならないだろう。
先日発表されたmineoのマイそくのオプション料金値下げで、サブ回線としての価値が上がったと述べた。
あちらはもちろん他社なので新たに回線申し込みが必要だ。しかし回線の維持は250円。障害発生時は24時間データ使い放題オプションを契約することで(WEBやアプリから容易にできる)困らない速度の副回線を得られる。速いし、24時間当たり198円だ。
1年間で1日障害が発生するとしたら、KDDIの副回線サービスは年間5,148円、一方でmineoは3,198円だ。
mineoのほうがKDDIの副回線サービスを上回るには年間11回の障害発生が必要だが、昨年の大障害でも4日間だ。ありえない日数だから、何年も使うことを考えたらmineoのほうがよさそうだ。
金額だけでいえば上記の通りだが、街のショップでサポートがあればau/UQ mobileの価値が出てくる。
ぜひともKDDIには検討していただきたい。
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