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HDDの故障率を紹介する海外事業者が書いたSSDを使ってみての感想が参考になるので紹介。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。
HDDの故障率について四半期ごとにレポートを書いているBackBlaze社。自社でクラウドストレージを運用しており、豊富な経験からどのメーカのどのモデルが故障率が低いか、という話を書いてくださっている。
とても参考になる。
最新の記事はこちら。
そのBackBlaze社もこの1年ちょっとでSSDを使うようになってきたそうだ。
主にOS起動用に使っているようだが、この数年でデータ用ドライブにも使うようになっていくと思える。
その時に気になるのは、SSDの故障率だ。同社でもSSDは使っている時間が長くないので、長期的なトレンドは読めていない。
前回のHDD故障率の記事の中でも触れられていたが、本当にSSDは故障率が低いのだろうか?
興味深い考察を同社がブログに書いている。
詳細はこちら参照。
HDDと比較してSSDはモータなど駆動系がないので、SSDの故障率はHDDより低いはずという定説がある。
この定説は本当なのかと、考察している。
まず、HDDはSMARTというHDDが記録する統計情報で故障予知を行うことが多い。ただし、SMARTの値が良くても突然壊れることはあるので、SMARTの過信は禁物と自分は考える。
同社ではSSDをOSブートドライブとして使っているが、2018年中盤に200GB SSDドライブが$50に下がるまでは採用できなかったそうだ。クラウドストレージというコストに厳しいサービスを提供するうえでは、OSドライブとて安価なものを追求する必要がある。当然の選択だろう。
2018年中盤にコストが下がったことで、同社は新規のストレージサーバの構築時、および故障したHDDのOSドライブの交換用にSSDを「実験的に」使い始めた。
同じ使い方であるので、SSDとHDDの故障率を単純に比較したそうだ。単純比較ではSSDが年間故障率(AFR)が1.05%、HDDが6.41%と6倍もの開きが判明している。
ただ、この数字は同じ期間を動かしたドライブ同士の比較ではない。SSDの平均利用期間は14.2ヶ月であるのに対し、HDDは52.4か月だ。
一般的に量産品の故障率はバスタブ(風呂桶)曲線を描くとされており、HDDは割と安定した時期といえるがSSDは初期不良が出てくる時期のドライブが紛れていてもおかしくないと思える。
つまり製品の枯れさが異なるものを比較しているといえる。
ここで同社はバスタブ曲線の同じ時期での故障率比較が良いと気付いたようだ。
その比較表が下図。SSDは2021年Q2だが、HDDは2016年Q4と古いデータだ。ドライブは平均14.2か月使われている。
この表では、SSDが年間故障率1.05%とあるのに対し、HDDは1.38%でしかない。大差ないといえる。
この数字からは、SSDがモータなど駆動系がないから故障率が低い、という定説は正しくなさそうだ。
新たな定説がでるにはSSDの評価期間がまだ短い。今後も同社の活動に期待。
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