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HDDの故障率を紹介する海外事業者の恒例の記事の紹介。今回は2023年の第3四半期の統計情報に基づく考察。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。
前回の記事はこちら。
恒例のUSのBackBlaze社の公表データのご紹介。以前の仕事での経験をもとに、同社のデータをみて勝手に考察する。
今回は2023年第3四半期、つまり7-9月の状況。
BackBlaze社はクラウドストレージなどのサービスを提供するUSの会社だ。同社は9月末時点で263,992台のストレージ(HDD,SSD)を利用している。4,459台がOSブートドライブだ。それと259,533台のデータドライブだ。3か月前に比べておよそ1.8万台増えている。著しい伸びだ。
データ用の259,533台について書かれているが、テスト用途あるいは60台に満たない種類のストレージの449 台は外されている。このため、下表の259,084台がレポートの対象になっている。
まずは故障台数、AFR(年間故障率)の書かれた表から。
3か月前と比較して変わったのは下記の点だ。
3Qの全ドライブのAFRは1.47%だった。一方で2Qは2.2%だった。
前回は大容量ドライブ(8TB以上)の品質を同社は疑っていたが、これは外れたようだ。
しかし、2Qとの差があって、3Qでは老朽化した4TBドライブを4,585台も廃棄したという。
4TBはシーゲートのST400DM000がAFR2.94%と高い。故障率の高いドライブが破棄され新しい品質の良いドライブに置き換わればAFRは低くなる。
今年の夏のア暑さでドライブに影響があったか、という話だ。基本的に同社もそうだが、HDDを部屋に置くのではなく空調の効いたデータセンタに置くので、問題は発生するはずがない。
しかしながらメーカ保証の温度を超えたドライブが354台あったそうだ。その割合は0.0113%なので、データセンタあるいはラックの空調の風が当たりにくいところで発生したのだろう。自分にはこの県が大きな話とは思えない。
年間ではなくドライブの寿命を見る分析だ。
上表のように使っているドライブのDrive DaysとAFRを示している。右端のConfidence Intervalの数値が低いものほどAFRの数値が信用できるとのこと。
0.5%以下のものを抜き出したものが下の表になる。これらのAFRは信頼できるので、AFRが小さい数字のドライブが故障しないといえる。
ただしここに書かれているものは生産終了しているものも多い。探しても売ってないかもしれない。すでに3TB,4TBのドライブを使う機会は諸兄も減っているだろう。
これからは20TB超のドライブが主流になっていく。コンシューマ向けにはすぐではないと思うが、いずれ切り替わっていくだろう。そうならないとしたら、SSDへの切り替えだ。
すでに2TBでも1万円程度で買うことができる。昨今のNAND不況とは言え、SSDの低下かっくかを止める要因はない。映像編集などで大量のデータを補完したい場合をのぞけば、コンシューマ向けPCから完全にHDDが消える日もそう遠くはないかもしれない。
次回もBack Blaze社のレポートに期待。
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