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【故障率調査】安定した高性能HDDを求める旅2023年Q3

 

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【故障率調査】安定した高性能HDDを求める旅2023年Q3
   

HDDの故障率を紹介する海外事業者の恒例の記事の紹介。今回は2023年の第3四半期の統計情報に基づく考察。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。

  
  

2023年Q3の情報

前回の記事はこちら。

恒例のUSのBackBlaze社の公表データのご紹介。以前の仕事での経験をもとに、同社のデータをみて勝手に考察する。

今回は2023年第3四半期、つまり7-9月の状況。

Back Blaze社 ドライブ故障 2023Q3

Back Blaze社 ドライブ故障 2023Q3 出典:BackBlaze以下同じ

レポートの概要

BackBlaze社はクラウドストレージなどのサービスを提供するUSの会社だ。同社は9月末時点で263,992台のストレージ(HDD,SSD)を利用している。4,459台がOSブートドライブだ。それと259,533台のデータドライブだ。3か月前に比べておよそ1.8万台増えている。著しい伸びだ。

データ用の259,533台について書かれているが、テスト用途あるいは60台に満たない種類のストレージの449 台は外されている。このため、下表の259,084台がレポートの対象になっている。

3か月の状況

まずは故障台数、AFR(年間故障率)の書かれた表から。

Back Blaze社 ドライブ故障 2023Q3

Back Blaze社 ドライブ故障 2023Q3

3か月前と比較して変わったのは下記の点だ。

  • 22TBの登場
    WDの22TBドライブ(WUH722222ALE6L4。上表の一番下の赤線)が1,200台加わった。設置が9月29日だったためこの主計では1日しか動いていない。
  • 古い6TBの健闘
    シーゲートの6TBドライブ(ST6000DX000:上表の一番上の赤線)はかなり前から動いているもので、Drive Daysは8万を超えている。平均101か月使っているそうだ。およそ9年だ。この3か月で障害は発生していない。バスタブ曲線の老朽化前の絶好調の時期なのだろう。
  • 障害がなかったドライブ
    台数が少ないものでは障害が0のものがあった。BackBlaze社の方針で、5万Drive Daysを超えてないと統計に有意さを認めてない。0ではないが少なかったドライブは2つ。東芝のMG07ACA14TEY(上表の赤線上から2つ目)とWDのWUH721816ALE6L0(上表の赤線下から2つ目)だ。それぞれAFRは0.63%と0.15%だ。

AFRの低下

3Qの全ドライブのAFRは1.47%だった。一方で2Qは2.2%だった。
前回は大容量ドライブ(8TB以上)の品質を同社は疑っていたが、これは外れたようだ。

しかし、2Qとの差があって、3Qでは老朽化した4TBドライブを4,585台も廃棄したという。
4TBはシーゲートのST400DM000がAFR2.94%と高い。故障率の高いドライブが破棄され新しい品質の良いドライブに置き換わればAFRは低くなる。

暑い夏の影響

今年の夏のア暑さでドライブに影響があったか、という話だ。基本的に同社もそうだが、HDDを部屋に置くのではなく空調の効いたデータセンタに置くので、問題は発生するはずがない。
しかしながらメーカ保証の温度を超えたドライブが354台あったそうだ。その割合は0.0113%なので、データセンタあるいはラックの空調の風が当たりにくいところで発生したのだろう。自分にはこの県が大きな話とは思えない。

生涯故障率

年間ではなくドライブの寿命を見る分析だ。

Back Blaze社 ドライブ故障 2023Q3

Back Blaze社 ドライブ故障 2023Q3

上表のように使っているドライブのDrive DaysとAFRを示している。右端のConfidence Intervalの数値が低いものほどAFRの数値が信用できるとのこと。
0.5%以下のものを抜き出したものが下の表になる。これらのAFRは信頼できるので、AFRが小さい数字のドライブが故障しないといえる。

Back Blaze社 ドライブ故障 2023Q3

Back Blaze社 ドライブ故障 2023Q3

ただしここに書かれているものは生産終了しているものも多い。探しても売ってないかもしれない。すでに3TB,4TBのドライブを使う機会は諸兄も減っているだろう。
これからは20TB超のドライブが主流になっていく。コンシューマ向けにはすぐではないと思うが、いずれ切り替わっていくだろう。そうならないとしたら、SSDへの切り替えだ。
すでに2TBでも1万円程度で買うことができる。昨今のNAND不況とは言え、SSDの低下かっくかを止める要因はない。映像編集などで大量のデータを補完したい場合をのぞけば、コンシューマ向けPCから完全にHDDが消える日もそう遠くはないかもしれない。

次回もBack Blaze社のレポートに期待。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 

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