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【故障率調査】安定した高性能HDDを求める旅2024年通年

 

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【故障率調査】安定した高性能HDDを求める旅2024年通年
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HDDの故障率を紹介する海外事業者の恒例のBackBlaze社の記事の紹介。今回は2024年通年の統計情報に基づく考察。
なお、元記事の筆者は今回で引退すると宣言しているので次回からは別の人が書くのか、内容が変わるのか、あるいは記事自体がなくなるか。今のところ未定だ。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。

連載記事はこちら
  
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2024年Q3の情報

前回の記事はこちら。

四半期恒例のUSのBackBlaze社の公表データのご紹介。元記事の筆者も今回が最後だからと頑張ったのか、図表が多い。
元ストレージシステムのエンジニアの自分が以前の仕事での経験をもとに、同社のデータをみて勝手に考察する。Back Blazeが公表している記事はこちら。

今回は2024年通年の統計になっている。

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年 出典:Back Blaze 以下同じ

レポートの概要

BackBlaze社はクラウドストレージなどのサービスを提供するUSの会社だ。同社は12月末時点で305,180台のHDD/SSDドライブを使っている。このうち、OSブート用4,060台と統計的有意さのないHDDを除いて、データ用ドライブは 300,633 台だった。前回からおよそ12,000台増えている。これらについて故障状況など統計をとったものが本レポートだ。

Q4の故障率

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

100台以上が稼働し、ドライブ日が10,000を超えてて、温度がメーカ仕様を守っているものを抽出して、300,633台について統計情報を集めている。
この表からわかるのは、AFR、年間故障率は1.35%で、前回3Qから下がっていることだ。3Qでは2QよりもAFRが上がったが、それは7年以上動いている8TBのドライブの故障増加のためだった。
Back Blaze社は小容量ドライブを順次廃止して、20TB以上の大容量ドライブに移行している。4TBドライブはこの2025年1Qですべてなくなる予定という。20TBに移行すればドライブスロットは1/5に減らすことができ、それはサーバ数、電力消費を減らすことになり、会社のコスト減につながる。半面RAID構成した場合の最初の同期に時間がかかる。
コストをとるか、RAIDの構築時間を取るか。それは用途によって決まると思われる。(RAIDを使わないという手もある)

なお、この4Q期間でドライブ故障がなかったHDDが5種類あるが、4台だSEAGATE、1台がHGSTだ。対してSEAGATEのST1400NM0138というモデルは故障率が高く、5.95%だ。いまから14TBモデルを採用するかという話もあるので流してもいい話ではあるが、同じ企業でも時期によっては使う技術が異なり、それゆえ故障率が変わっている場合があるので注意だ。

2024年の故障率

通年では27種、298,954台のドライブを短章として統計を取っている。

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

2024年は故障なしのドライブはなかったが年間で1件だけの故障だった、SEAGATEのST16000NM002Jは優秀だったといえる。AFRは0.22%だ。

2022~2024年の比較

3年間のAFRを比較している。

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

2023年から2024年のAFRは低下している。これは故障が多かった4TBモデルが引退し、代わりに品質のよい大容量モデルが入ってきたからだろう。
一方で8TB,12TBモデルは5年間の耐用年数を超えており、HGSTのドライブはきれいに年々AFRが上がっている。2025年も上がり続けるだろう。
14TB,16TBはバスタブ曲線の安定期におり、2025年以降に緩やかにAFRがあがってきそうだ。

AFRとドライブ容量

下図は3年間のドライブ容量ごとのAFRの推移だ。

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

今までも書いているように古い引退間際の4TB、10TBドライブは年々上がってきている。測定時期によって上下はあるものの、年々上がってきているようだ。8TBは不思議なことに安定しているように見える。しかし大容量ドライブに比べたらAFRは高い。
12,14,16,22TBドライブは安定して低い。初期不良などの要因で2%を超える時期もあったが最近は1%前後だ。

AFRとドライブメーカ

気になるものだ。同じ容量でほぼ同じ価格だったらどのメーカを買えばいいだろう。今は3社しかない。WD、SEAGATE、東芝だ。(Back Blaze社はHGSTとWDを分けているが)
限られた予算で買うのだから品質のいいメーカがいい。その答えが下図だ。

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

このグラフのトレンドを直線で引いたものが下図。

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

HGSTは上がりっぱなし。東芝は微増、WDは増加するもAFRは0.5%強で最低値、SEAGATEのみが微減だが2%とAFRは高い。
HGSTは12TB以下の古いドライブで構成されているので、引退間際のドライブが多い。

以上から、品質の良いものはWD>東芝>SEAGATEとなっているように見える

ライフタイム統計

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

Back Blaze社 ドライブ故障 2024年

ドライブが故障するまでのAFRを計算している。25種類、298,230 台のドライブが対象。
引退したSEGATE4TBドライブがなくなったので2023年に比べてAFRは1.31%と減った。

まとめ

メーカ別四半期ごとのAFRの比較というのは役立つ情報だ。
もちろんクラウドストレージサービスを提供する同社が買うニアラインモデルと自分が買うデスクトップモデルでは使っている部品が異なり、耐久性が異なる。
全く同じであると信じてはいけないのだが、同じメーカが作っているなら品質がよさそう、と思える。

次回はあるのかな。

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著者プロフィール
irvine
 ソフトウェア設計、ストレージ設計を経てクラウドにかかわる仕事をしている、東京郊外在住のエンジニア。
 仕事でUS,UK,SGなどの国とかかわる。
 自作PC、スマホ、タブレット、AV機器好き。ドラクエウォークはルーチンワーク。Linuxやストレージ、IT業界の動向は興味を持っている。
 新しい機器、サービスに興味あり。年数回のレビュー(自腹購入、ご依頼)と発表されて興味があるものの新製品机上レビューをやっている。
 2022年はJAPANNEXT様のアンバサダーを務めました。
 
 

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