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HDDの故障率を紹介する海外事業者の恒例のBackBlaze社の記事の紹介。今回は2025年Q2の統計情報に基づく考察。
なお、元記事の筆者は前回から変わったそうだ。ロゴがポップになったなぁ。
大容量ストレージデバイスであるHDDについてのまとめはこちら。
前回の記事はこちら。
四半期恒例のUSのBackBlaze社の公表データのご紹介。
元ストレージシステムのエンジニアの自分が以前の仕事での経験をもとに、同社のデータをみて勝手に考察する。Back Blazeが公表している記事はこちら。
今回は2025年Q2、つまり4~6月の統計になっている。


Back Blaze社 ドライブ故障率 2025年Q2 出典:Back Blaze社以下同じ
BackBlaze社はクラウドストレージなどのサービスを提供するUSの会社だ。同社は6月末時点で321,201台のHDD/SSDドライブを使っている。このうち、OSブート用3,971台と統計的有意さのないHDDを除いて、データ用ドライブは 317,230台だった。これらについて故障状況など統計をとったものが本レポートだ。
まずはサマリ。


Back Blaze社 ドライブ故障率 2025年Q2
2Qの故障数がわかる表はこちら。


Back Blaze社 ドライブ故障率 2025年Q2
この表からわかるのは、AFRは1Qよりも下がった。しかし1Qが上がっていたので、2024年と同等に戻ったといえる。
Seagate の12TBモデルなどで故障率が下がり、全体が下がったようだが、なぜ下がったかは謎のまま。
故障なしは、SeagateのST8000NM000A (8TB)と、ST16000NM002J (16TB) の2機種。容量からは最新の機種でもないので、安定してきたということかな。
ちなみに8TBの方は3四半期間(9か月)も故障台数が0だ。
、年間故障率は1.42%で、前回2024年4Qから若干上がっていることだ。他には4TBドライブの引退、20TB以上のドライブの増加だ。
なお、以下の4台は故障0だった。
HGST HMS5C4040ALE640 4TB
SeagateST8000NM000A 8TB
Seagate ST12000NM000J 12TB
Seagate ST14000NM000J 14TB
3か月だけでなく、設置から故障による取り外しまでの期間でAFRを算出している。


Back Blaze社 ドライブ故障率 2025年Q2
選定にあたっては条件があり、2025年第2四半期末時点で500台以上のドライブを搭載し、かつ寿命期間中の累計駆動日数が10万日以上であることだ。その結果、27機種、393,907台について集計されているものが上の表だ。
コメントとしては、データセンタ用途では12TB以下のドライブは老朽化したmのとして扱われており、徐々に退役している。


Back Blaze社 ドライブ故障率 2025年Q2
6年以上使っているドライブに限定すると、AFRは1.33%になるそうだ。これらは特に出来がいいドライブなのだろう。


Back Blaze社 ドライブ故障率 2025年Q2
まず東芝の20TBモデル、MG10ACA20TE


Back Blaze社 ドライブ故障率 2025年Q2
ドライブは通常最初はテスト用途で導入され、使えると判断したらどんどん数を増やす。従いAge in months(横軸)が大きいほどドライブ数(縦軸)は少ない。それに対してAFRは台数とは無関係であるし、Age in monthsにも相関性がなさそうだ。
次にWDの22TB、WDC WUH722222ALE6L4


Back Blaze社 ドライブ故障率 2025年Q2
こちらは何となく、ドライブ数とAFRが相関性があるように見える。
次にSeagateの24TB、ST24000NM002H。半年分しかデータがないそうだ。


Back Blaze社 ドライブ故障率 2025年Q2
3機種をまとめたグラフは下図。


Back Blaze社 ドライブ故障率 2025年Q2
技術革新があり、12TB以上のドライブは下の容量と仕組みが異なるところがあるようだ。
このため12TB以下の容量のドライブが案外安定してまだ使えている反面、20TBクラスの最新ドライブが新技術の安定性の問題でAFRを押し上げているのかもしれない。
ドライブ容量は30TBを超えた。数年中に50TB、60TBに届くだろう。HDDスロットが少なく済む反面、RAIDなどで構成するとResyncに膨大な時間がかかる。
クラウド事業者ではRAIDを使わないところもあるので、個人、SOHOでもそろそろ脱RAIDなのかもしれない。
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