スポンサーリンク
ストレージ大手のWD(ウエスタンデジタル)が物言う株主の助言でHDDとSSD事業の分離を検討中。
ストレージに関するニュースのまとめはこちら。
かつてHDD黎明期は50社以上の企業が乱立し、HDDを製造、販売していた。身近な企業ではIBMや富士通も販売していた。
高度な製造技術が必要なため脱落する企業が続出し、今はHDDはWD(とその傘下のHGST)、シーゲート、東芝の3社だけになった。
東芝は主に2.5インチを主力にしていたが、富士通の3.5インチ事業を買収して現在に至る。最近2.5インチHDDの存在意義を感じられなくなり、ノートPCはローエンドでもSSDに置き換わった。
このため、東芝はかなり苦境なようだ。一方で東芝はNAND事業を持っていたので、HDDとSSDのシナジーを図っていた。これに焦ったWD,シーゲートも倣って、WDはSANDISKを買収した。シーゲートはよくわからないが買収していないのかな。協業どまりな気がする。
東芝のほうはその後の経緯でNANDを分離してしまって、今は元のHDDのみの会社に戻っている。HDDに対する需要はまだまだあるうえにHAMRなど新しい技術も出てきているのでまだまだいけそうな気がする。
一方でWDはどうだろうか。NANDは莫大な資金が必要で、東芝から分離したキオクシアと日本の工場を共同で使い、NANDを生産している。そのNANDがWD製品に使われていると思う。
一部新しい技術はあるとしても全体的に枯れた技術であるHDDと、微細化、高集積化にまだまだ発展途上のSSDではストレージという共通点以外は水と油、あまり共通点はない。
かつてはHDD用のSATAでSSDを制御していたが、速度を上げるため今はNVMeが主流だ。制御インタフェースまで異なるようになったので、共通点はもう何もないのかもしれない。
となると同じ会社であることが意味があるかと、海外の投資家たちは思うのだろうか。
物言う株主であるエリオット。インベストメント・マネジメントが、WD取締役会に対してHDDとSSD事業の分離を提案したそうだが、取締役会はその提案を受ける方針だそうだ。
最終的に提案に従って分離するかどうかはわからないが、提案がなかったとしてもHDDとSSD事業に共通点がほぼなくなってしまっては、一緒の会社である必要はない。
WDは持ち株会社になって、HDD(旧WD)とSSD(旧SANDISK)の事業会社にするのかもしれない。
これによるHDDやSSD価格への影響はないと思うが、将来的にはHDDが収束していく方向なので、HDD事業会社はどこかで消えるのかもしれない。
PR